フィギュアスケート・グランプリシリーズ2022MKジョン・ウィルソン杯、女子フリー(ジャッジスコア)。
<G1>
ユリア・サウター(ルーマニア) SP:52.38(12) FS:104.08(9) Total:156.46(10)
「Me Before You」♪ 白水色ブルー。冒頭の3サルコウから3ループ、3トウ+2トウと安定したジャンプ。3サルコウ+2トウ+2ループはぎりぎりだったが、3トウ+2アクセル、両手上げ2ルッツなど、ほぼクリーンだった。
ジャンプを跳び終えて伸び伸びと、スパイラルやスプリットジャンプ、スライディングなどのコレオでフィニッシュ。ここまで思い通りに通せたのは初めてじゃないだろうか。フリーの世界選手権ミニマムまであと僅か。
アレクシア・パガニーニ(スイス) SP:54.63(11) FS:102.26(10) Total:156.89(9)
リムスキー=コルサコフ「シェヘラザード」♪ 赤にブルーのストーン。冒頭の3ルッツは無理せず単独に、3サルコウに2トウをつける。スパイラルをじっくり見せるコレオ、3ループにオイラー+2サルコウをつけ、最後の2アクセルも+2トウとした。
レイバックスピンまでで一段落してしまう感じで、最後のステップは力を振り絞っていたかな
ブレイディ・テネル(アメリカ) SP:56.50(10) FS:96.69(12) Total:153.19(12)
ヴィヴァルディ「四季」♪ ブルーから赤、オレンジ。3ルッツ転倒で始まったが、イナバウアーからの3ループ、きちっとした3サルコウと力強い。後半3ループ+オイラー+2サルコウが入ったが、3ルッツで再度転倒、2アクセルも転倒
しかしナレーションが入る曲でメッセージを伝える、心に響くプログラム。情熱を迸らせるステップ、コレオに見事なイリュージョンを織り込んだスピン。スコアより記憶に残るスケートだった。
ナターシャ・マッケイ(イギリス) SP:57.62(9) FS:97.58(11) Total:155.20(11)
「Express」「Welcome to Burlesque」「The Beautiful People」♪ 白の胸元に赤黒のスカート。ジャンプは右回り、スピンは左回りの選手。地元の大声援の中、冒頭のルッツは1回転に。慎重に3ループ、3ループ+2トウ、3トウと決まって笑顔。音楽に楽し気に乗っていくコレオ、後半パンクもあったが、3サルコウ、2アクセルが決まって拍手をもらう
ステップは会場全体が手拍子で後押し。
ガブリエル・デールマン(カナダ) SP:58.95(8) FS:104.82(8) Total:163.77(8)
「ツィガーヌ」「M. 76」「黒い瞳」♪ 透ける黒に赤スカート。情熱的なヴァイオリンソロに乗って、3トウ!オーバーターンしたが2トウをつける。3ルッツ決まり、3フリップ少しオーバーターン。音がパン!と鳴るところでぴたりと3ループが決まった。後半3ルッツ転倒したが、3サルコウ+2トウ頑張る。
ステップの中で細かい音に合わせる振付がカッコよく、テンポを上げて畳みかけていくところがいい
ニコル・ショット(ドイツ) SP:60.38(7) FS:121.03(6) Total:181.41(6)
「ボヘミアン・ラプソディー」♪ 黒系。ストリングスでゆったりと始まる曲で、3フリップ+2トウ+片手上げ2ループを決める。3フリップ、3ループ+2アクセル、3サルコウ+2トウと、あまり幅はないが安定したジャンプ。
丁寧に音と合わせていくコレオは派手ではないが惹きつける。後半も3トウ、3サルコウ、2アクセルと全て予定通り跳んだ 女性ボーカルがオリジナルとは違う味を出して、素敵なプログラムになっている。スピンから膝をついて出て、やりきった表情
<G2>
ユ・ヨン(韓国) SP:61.21(6) FS:130.15(3) Total:191.36(4)
ヴィヴァルディ「四季」♪ グレーとブルー。2アクセル+3トウ、3ルッツと雄大なジャンプで一気に虜になった会場 3ループ、3サルコウ+2トウとよどみなく、自然と手拍子が起こる。リンクいっぱいにイナバウアーやイーグルを繰り広げるコレオ。
後半の3ルッツ+オイラー+3サルコウも完璧、小鳥の声をあしらった「春」で細やかな動きのステップ。3フリップでフリーレッグをついてしまい、つけた1アクセルが無効になったか。
最後まで充実のプログラムで、昨日の悔しさを晴らしたかな
ガブリエラ・イッツォ(アメリカ) SP:62.92(5) FS:111.18(7) Total:174.10(7)
「Elena & Lila」「Memory is the Seamstress」♪ 黒にブルーやピンクで模様。スピードに乗って3ループ+2アクセルを決め、3ルッツは単独でまとめる。フリップでパンク、後半ルッツもパンクとやや乱れたが、3フリップ、2アクセルと立て直した。
アメリカの選手らしく、常に表現し続ける意欲がある。ビールマンスピンもきれいだった。
エカテリーナ・クラコワ(ポーランド) SP:63.46(4) FS:126.98(4) Total:190.44(5)
「Up」♪ レモンイエローの胸に風船の模様。映画「カールじいさんの空飛ぶ家」サウンドトラックで、軽快に滑り出す。両手上げ3ルッツ+オイラー+両手上げ3フリップ、両手上げ3ルッツ、片手上げ3トウ、両手上げ3ループと順調に決めていく。さらに両手上げ3ループ+2アクセルと決めて拍手喝采 3サルコウは手を上げず片手上げ2トウをつけ、最後の2アクセルが決まる。
横から後ろに回して真っすぐ上げた姿勢のスパイラル、「ヘ」の字で笑顔を振りまくコレオ。クライマックスに向かって盛り上がっていくステップ、ビールマンスピンを出てスライドしてフィニッシュ。
思わずガッツポーズ、キス&クライでも笑顔
アナスタシア・グバノワ(ジョージア) SP:66.82(3) FS:126.29(5) Total:193.11(3)
「Latika’s Theme」「Ringa Ringa」♪ ベージュ。映画「スラムドッグ・ミリオネア」の曲で、インド風の振付で踊る。3ルッツ+3トウ、2アクセル、3ループと隙がなく、3サルコウは下りてピボットに繋げるのが素敵 後半も3フリップ+3トウ、3フリップ+2トウ+2トウ、2アクセルと全てのジャンプが加点付きとなった。
インド映画のダンスシーンのように盛り上がるステップ、意外と合ってるかも トップに立ってメダル確定の喜び
イザボー・レヴィト(アメリカ) SP:72.06(1) FS:143.68(2) Total:215.74(2)
「My Sweet and Tender Beast」♪ ブルー系。丁寧に入った3ルッツ+3ループ、見事に決まった イーグルから3サルコウ、2アクセル。ジャンプに入るときは慎重に見えるが、下りた後がきれいに流れるので気にならない。
イナバウアー、足を横から上げて後ろに回すスパイラルでコレオ。後半に3ルッツ+オイラー+3サルコウ、3フリップ+2トウと決めた。要素と要素の間のトランジションが程よく、シームレスに続いていくので心地よい。完璧なオールグリーンのプログラム
自己ベストを大きく更新して2位以上確定。
三原舞依 SP:72.23(1) FS:145.20(1) Total:217.43(1)
ファリャ「恋は魔術師」♪ 赤に黒手袋。昨日とは変わって情熱的に まずは2アクセル、3ルッツ+3トウとスピードに乗っていく。3サルコウ、高さと流れのいい3フリップ。スピンでもじわっと盛り上がっていく。2アクセル+3トウ。3ルッツ+2トウ+2ループ、最後の3ループは耐える着氷になったが問題なし。
恋に我を忘れていく女を演じるステップ、身体をいっぱいに使っていく。リンクに大きくS字を描くダイナミックなスパイラルは大会のクライマックス ビールマンスピンをぴたっと止めてフィニッシュ、喜びのあまり走り出した
会場のみんながスタンディングオーベーションで称える。得点と順位を見て嬉し涙 病気で滑れない時期もあった舞依ちゃん、ここまで続けてきて本当に良かった
結果、三原舞依がグランプリシリーズ初優勝、2位レヴィト、3位グバノワ。ユ・ヨンが4位に順位を上げ、クラコワ5位、ショット6位。
スケートアメリカに続いて2位のレヴィトは26ポイントとして、ファイナル進出の可能性が高くなった。三原舞依はフィンランド大会でファイナル進出に挑むことになる。
このあとはアイスダンス・フリーダンス