―都内JR駅にて―
■蒸発・無縁社会・絆、そして凝縮?
天皇陛下が年頭の感想 「家族や社会の絆を大切に」
今の若い人は、「人が"蒸発"した」という言い回しを聞いたことがないんじゃないだろうか?1970年代のワイドショーは家族を探すというコーナーがあった。そこでは、"蒸発"した家族をテレビ放送で探していた。ガキンチョだったおいらは人が行き先を告げず消えるという意味で蒸発ということばを知った。液体が気体に相変化して散逸するという意味を知る以前だった。当時はまだ伝統や因習で人が自由に生きられなかったのだ。よっぽど自分の社会が嫌になったら、消えるしかなかった。ただ、当時は高度経済成長期だった。だから、都会には働き口、それも住み込みの口が多くあったのだろう。因習社会から自由になった人で、そのまま絆を持たなかった人々も多かっただろう。彼らが今の無縁社会の主人公たちの一部に違いない。
今は社会全体が自由になったので、ホテル化している快適な家庭から逃散する必要はない。むしろ、パラサイトシングルの方が問題とされている。凝縮する人々。