この国の政治家は一体何を考えているのだろう。福島第一原発の周辺に戻れるわけはないのに、まだそれにこだわっている。民主党政権を徹底的に追及すべき野党自民党も、まったく腰砕けである。どうして過去の罪滅ぼしをしないのだろう。国土の3パーセントにあたる地域が、放射性物質によって汚染され、人住めぬ地になった。にもかかわらず、そこに戻れるかのような物言いは、まさしく犯罪ではなかろうか。細野豪志原発担当相が口にした言葉を、国民は絶対に忘れないだろう。野田佳彦首相だって、いい加減な発言をした責任は、将来必ず問題になるはずだ。今からでも遅くはない。国はすぐにでも、年間の被曝量が1ミリを超える地域からの避難を呼びかけるべきだ。そして、仕事の都合などで動けない人には、金銭的補償を行うとともに、他の地域に移転する人に対しては、そのための経費を東京電力や国が負担すべきだ。そこまでしなければ、多くの日本人を救うことはできない。もはや戦争状態に突入したのと同じである。小出裕章京都大学原子炉助教の話ではないが、この国はどうかしてしまっている。経済合理性を重んじるあまり、命などどうでもいいのだろうか。除染費用は100兆円もかかるといわれる。効果そのものに疑問も出ており、それだったらば、避難の方がよりベターな選択ではないか。
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