反格差デモをする日本のサヨクというのは、結局天に唾しているのと同じではないか。「増税をやらずに金持ちからとれ」ということになれば、公務員や一流企業の社員がターゲットになり、一番困るのは自分たちではないか。自分たちのことを棚にあげて、リベラルぶるのは笑止千万である。ぬくぬく暮らしている連中がいくら叫んでも、大衆は見向きもしないだろう。とくに、民主党政権が誕生してから、連合を中心とした労働組合がのさばっており、わが世の春を謳歌している。マルクーゼが指摘したように、あくまでも労働組合は体制の補完勢力でしかなく、既得権益に守られている。それをよく大衆は熟知しているからこそ、役人の給料をカットすることを望んでいるのではないか。本来であれば、ワークシェアリングを行い、自分たちの所得を減らしてでも、多くの雇用を作り出すべきだが、そうした共助の精神は持ち合わせていない。今の日本にあっては、どこの階級にも属さず、余計者でしかない人間たちが、どんどん増加している。やり場のない怒りがこみ上げてくるのは、必要とされないからだ。それでいて、マルクス主義は遠の昔に神通力を失ってしまった。モッブ化した大衆を街頭に駆り立てるのは、もっと別な力が働くからだろう。それを全体主義と呼んだのは、確かハンナ・アレントでなかったかと思う。
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