かけ声だけは勇ましいが、除染で本当に福島市や郡山市は住めるようになるのだろうか。懐疑的な声があちこちで聞こえ始めている。福島市が今考えているのは、放射性物質による汚染が深刻な屋根だけを取り替えるということだ。それ以外のところは、ボランティアに頼って、水で洗浄するとか、土を剥ぐとかいう原始的なことで、すませようとしているのである。しかし、それだって、一軒20万として10万以上の全戸数をやろうとすれば、それだけで200億円かかる。一軒の家を丸ごと除染しようと思えば、500万ともいわれており、同じく10万以上の全戸数をやろうとすれば、5000億円もかかる。しかも、それはあくまでも住宅地についてでしかない。山や水田などは含まれていないのである。できもしない除染に踊らされたというので、福島市や郡山市の住民の不満は爆発寸前になっている。自治体の首長や議員を見かけたら、剣幕で怒鳴りつけかねない不穏な情勢である。民主党政権やマスコミに騙されたというやり場のない怒りが、日に日に高まってきているからだ。このままでは騒ぎが起きるのを防ぎようがない。日本人ほど冷静に対処する国民はないというので、諸外国から高い評価を浮けてきたが、それはあくまでも昨日、今日までのことなのである。
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