トランプの再登場によって、憲法改正が叫ばれるようになってきましたが、よくよく考えてみると、護憲派などは日本には存在しないのです。憲法第一条では「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって」と書かれています。左翼はそれに異論を唱えておきながら、表向きは現行憲法を神聖なものと位置付けています。
国会の召集にしても、天皇の国事行為と書かれており、大日本帝国憲法の改正によって新憲法ができたわけで、大筋においては受け継がれています。
今は亡き坂本多加雄は「象徴の原義は、目に見えぬものを眼に見えるものにする媒介的存在という点にある。そして、日本国や日本国民統合といった事柄は、」それ自体は不可避の描象的なものである」としながら、「天皇を中心になされる一連の伝統的儀礼や、あるいは、しかるべき折に、また全国各地においてなされる天皇の国民の前への現前を通して、『日本国』や『日本国民統合』が眼に見える形で、ありありと実感的に『象徴』されていると解釈すべきではないだろうか」(『求められる国家』)との見方を示しました。
象徴天皇と国民主権とは一体であり、それを否定していながら、当面を利用しようとしているのが、左翼なのです。トランプの外圧を利用して、日本国憲法について今こそ本格的な議論を始めなければなりません。そして、安全保障上の観点からも、憲法9条のように、すぐに改正すべき条文はすぐに改正すべきなのです。