草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

イスラエルは日本にとって他人事ではない

2023年11月27日 | 安全保障
 イスラエルを擁護するのは、ハマスがテロリストであるということのほかに、我が国の置かれている立場からすれば、それしか選択肢がないからである。人道上の問題だけではなく、日本が生き残れるかどうかがかかっているのだ。
 イスラエルを米国がどこまで守ってくれるか保証がないように、日本もまた同じような厳しい環境下にある。両国とも周囲を敵対する国家に囲まれており、米国がどこまでコミットしてくれるかで、両国の命運は決まってしまうのである。
 しかも、イスラエルは核武装して抑止力を強化しているが、日本は未だに米国頼みである。中東諸国の背後には、中国やロシアが控えており、東アジアでもいつ牙を剥いてくるか分からない。
 村松剛は平成4年の段階で「北京はアジア、北アフリカの回教諸国を核武装させて自由世界に挑戦することを策しているように見える。核技術の大量輸出による危機の醸成は、ソ連帝国消滅後の世界を見据えた北京の戦略と、うけとるほかない」(『保護領国家日本の運命』)と書いていた。
 日本が国家として身構える勇気がないのであれば、米国に依存するしかなく、戦後一貫してそうであったように「保護領国家」の立場を甘受するしかないのだ。
 自由民主主義国家の砦としての米国のプレゼンスが低下している今、イスラエルを擁護するのは、日本の今後のことを考えてのことなのである。
 このままでは米国ではなく、全体主義の中国の支配下に入ることは、サミュエル・ハンチントンが述べているように、ほぼ確実視されている。それを阻止するためには、米国との絆を強化するとともに、日本も核の保有についも決断をしなくてはならない。イスラエル擁護は人道主義にとどまらず、冷酷な国際情勢を踏まえての主張なのである。

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