島田雅彦が夕刊フジに寄せた弁解文は、あまりにもお粗末であった。暴力についてまともに論じることなく、小市民的な言い訳をしたのには、呆れて物も言えない。
マスコミのくだらない報道に便乗して、いい子ぶったらば、ネット民の逆鱗に触れてビビッてしまったのだろう。自分の立場が危うくなり、それで泣き言を並べ立てているのだ。
安倍さんを暗殺したテロリストに同情をしただけで、あくまでもそのレベルでしかなく、テロを肯定したつもりはない、との弁解は、物書きとして最低である。
その程度の認識しかないのなら、わざわざユーチューブで発言しなければよかったのだ。岸田首相を狙った模倣犯が出たことに関しても、くだくだと言い訳をしているが、本心はまったく変わっておらず、よく読めばテロリスト擁護のままである。
カール・シュミットにいわせれば「友敵」の論理が政治である。そこに一歩足を踏み入れれば、問答無用の世界が待っているのだ。「抹殺するか、抹殺されるか」なのである。その覚悟もないくせに、よくぞ言ったものである。
日本におけるポストモダンの多くは、小難しいことを書きながら、スターリン主義国家の同調者のような立ち振る舞いをしている。まともなのは東浩紀くらいである。
今もなお極左も極右も暴力を否定してはいない。そこに足を踏み入れる覚悟もなしに、島田が軽々しい言葉を口にするのは、サロン左翼だからであり、身のほど知らずなのである。