草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

危機の時代こそ「美しい日本」を想起すべきだ

2023年04月22日 | 思想家
 私たちの先人は、昭和20年8月15日の敗戦を経験した。どん底からの、廃墟からの再出発であった。その当時のことを思えば、今の危機などは、怖れるに足らないのである。
 戦後まもなく新夕刊に『西郷隆盛』を連載していた林房雄は、「『あとがき』にかえて」で「日本よ、美しくあれ」と日本国民に奮起を促した。
 林は「今のこのままの日本を私共は美しい国だとは言わぬ。だが、私の心の中に美しき日本への憧れが存する限り、美しき日本は必ず回復されるのだ」との確信を抱いていた。
 また、林は「敗戦の混乱と窮乏の中で、日本の欠点を拾いあげ、日本に絶望することは極めて容易である。だが重要なことは、外界の混乱を眺めることではない。内部を眺めることである。自分自身が生きていることにまず驚き、次に自分の心の中に美しきものへの憧れと、美しき日本への切々たる郷愁がなお生きているかどうかと問うことなのである」とも主張し、日本人の揺るぐことのない精神性の高さを信じたのである。
 先の戦争の終結を天皇陛下が決断されたのも、過去を一切否定することではなかった。天皇陛下は玉音放送で「よろしく挙国一家、子孫相(あい)伝え、かたく神州(しんしゅう)の不滅を信じ、任重くして道遠きをおもい、総力を将来の建設に傾け、道義を篤くし、志操(しそう)をかたくし、誓って国体の精華を発揚し、世界の進運に後れざらんことを期すべし。なんじ臣民それよく朕が意を体(たい)せよ。」とお述べになられたのである。
 未曽有の危機だからこそ、私たちは「美しい日本」を思い起こさなければならないし、それによって、日本国民が一致団結しなければならないのである。

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