つれづれなるままに

日々の思いついたことやエッセイを綴る

東京国際大学公開講演会

2010年11月17日 | 日記
               東京国際大学公開講演会の加地伸行先生

四ッ谷駅から上智大学横のソフィア通りは桜の葉が色づき紅葉のシーズンを迎えていた。今年一番の寒さを感じる日、夕刻から雨が降ってきた。突き当りがホテルニューオータニ。東京国際大学公開講演会の会場である。

第36回公開講演会に集まったのは約900名。
大学関係者もいるが、卒業生が就職している会社や企業の担当者たちが多い。
政界の国会議員や大手企業の役員らも見受けられる。
今回の講演担当者は加地伸行先生による「誇りある国の公徳心」であった。
立命館大学教授(立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所長)、大阪大学名誉教授。
昭和11年大阪市生まれ。京都大学文学部卒業。文学博士。中国哲学史専攻。

講演は、現代の日本の若い女性像から入っていった。電車の中で就職活動中の女子学生がケータイに指でメールを打ち、耳はアイポッドで音楽を聴いている。そしてお菓子を食べて足を組んでいる。今回の講演テーマは、知育、体育、徳育のうち徳育の公徳心。誇りある国とは日本のこと。
日本は農耕民族でありストレッチ運動を取り入れた剣道が適している。サッカーは人気があるが狩猟民族のスポーツであり、足の短い日本人には向いていないのではないか。
世界には一神教の宗教が多くあるが、日本は多神教の国である。学問には天神様が、商売には恵比寿様がいる。捨てる神があれば拾う神もある。
日本人は世界で最も優秀な人物である。原人類はアフリカに誕生した。優秀なものは外へ出て行った。ヨーロッパとアジア方面に流れていった。アジアではインド文化、中国文化が日本まできた。日本は島国であるのでその文化は留まって積み重なっていった。集団で物事を考えるところは日本人の大きな特色である。中国人は一人一人は龍であるが三人集まれば豚となるが、日本人は一人一人は豚であるが三人集まれば龍となる。

日本人は集団の素晴らしさがある。研究開発を一生懸命にやっている日本人は9割失敗しても1割成功させる。中国人は失敗させないために人の作ったものをコピーすることに専念する。外国の留学生は日本に来ても本国に帰らない。日本や米国で就職する。中国人は帰国すると官僚になりたがる。留学生のあり方が違う。
明治時代の日本からの留学生は、日本に帰ってからも学んだことを惜しみなく伝えて教えてきたから現在の日本の発展がある。

井伊直弼は開国をしたが、外国の治外法権について理解が出来なかった。日本の法律では外国人を裁けなかった。捕まえることが出来なかった。不平等条約の改正を図った。
欧州のような法律がなかったので、刑法と民法を至急に作成した。
日本人は一族の結束が強かった。(森鴎外の「阿部一族」が良い例)所帯の集まりが一族主義ととなっていった。
小学生の学力テストランキングを見ると三世代家族が多い秋田県、青森県、福井県が上位を占めている。一方大阪府、北海道、高知県などは最下位に低迷していることから分かる。日本には仏教があり、家には仏壇があって先祖がいたから抑止力があった。家長が仏壇に参り子供たちはその姿を見ているから訓しも利いている。礼節が出来る。

加地伸行先生の話は、日本人は仏壇を持っていることで先祖の大切さが理解される。それが公徳心となる。とまとめられた。

引き続き、懇親パーティーに入り、ホテルの美味しい食事を食しながら多くの人との交流の時間となった。東京国際大学野球部の古葉竹識監督や元フジテレビアナウンサーであり現在東京国際大学の国際メディア学科担当の露木茂教授などは忙しく名刺を交換していた。

(11月17日記)
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