ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2012.1.12 謹賀新年のメールを頂いて

2012-01-12 22:23:00 | 日記
 ある方から謹賀新年のメールを頂いた。
 数年前、同じ職場にいらした方で、今は本庁で勤務されている。私よりいくつか年下だが、非常に優秀なのは誰しもが認めるところ。いつのまにやら職場の古株となって、気付けば同じ年代・立場で仕事の話が出来る人たちがどんどん去ってしまい、彼女は私にとって本音で話せる数少ない大切なランチ友達だった。

 彼女は、私と同じ病気のサバイバーだ。まもなく初発から5年になるだろうか。彼女の初発時、当時私は初発から2年経過したところで、ノルバデックスの副作用が原因とされる卵巣のう腫の手術を控えていた。
 彼女も早期発見だったから、手術入院はわずか数日。本当にあっという間に、あたかも何事もなかったかのように復帰された。私の手術から僅か2年後のことだったというのに、本当に医学の進歩は凄い、と思い知らされるほどの短さだった(私は18日間の入院だった。)。その後、1カ月にわたる放射線治療は時間休で対応しながら、普通通り、毎日勤務を続けられた。頼りない乳がんの先輩としては、老婆心ながら、そんなに飛ばして大丈夫・・・?と案じていたが、実に天晴れ、見事だった。だから、彼女は私と違って病欠さえとらずに手術、術後治療、その後の定期的な検査等を済ませてこられているわけだ。そして、もうすぐ無事5年経過の大きな区切りを迎える。感無量である。けれど、乳がんは何とも“○○の深情け”のようなしつこい病気であるから、10年が経過しないと本当の意味での完治ではない。彼女はそうした不安を全く口に出されることはないが、同じ患者として、察することは出来る。

 彼女は管理職登用試験に合格し、今は昇任前の研修等で多忙な毎日を送っておられる。謹賀新年のメールにある“刻一刻と自分の考え方や見える風景が自ずと変化していくものなのだなと実感した1年でした。・・・もう少し「自分を使わなくては」というのが最近漠然とですが意識していることです。”という彼女の言葉が眩しい。
 一方、私はといえば、出産後、今の職場に異動して以来、のらりくらりとずっと受験を回避してきた。ちょっとでも気になっているなら受験しておいた方がいい、と言ってもらえたこともあったが、産休明け間もないし、管理職登用の前に必ずある短期間で様々な職場を転々とする一種の試用期間を考えると、保育園児のうちはこのまま職住近接が良いのでは、などと言いながら、受験を避け、慣れた職場である意味安穏に過ごしていた。
 とはいえ、同一職場にそうそう長くいることの功罪もあり、そろそろ異動希望か、と思ったところで初発。無事に2年ほど過ごせたら再び今までのペースで働けるかと思っていたところ、卵巣のう腫で病欠。その都度凹み、またよろよろと立ち上がり、では、3年クリア出来たら・・・と思ったところで無情な再発・転移。エンドレスの治療とあいなった。これはもう仕事で出世する等という色気を一切断ち切るための神様の思し召しだろうと思わざるを得なかった。自分の身の丈にあうようにペースダウンして、自分にとって仕事以外の本当に大切なもの、やりたいことを楽しむべし、という。
 もちろん健康だったら、ちょっとくらいの無理など平気の平左、健康だったらどんなことにもチャレンジ出来る、そう思っていたから、健康な人たちが次々と新しい世界を切り拓いていくことについては冷静に見送ることが出来た。けれど、さすがに、サバイバーでありながらあえてハードな生活に向かう彼女に頭が下がると同時に、またも気持ちにさざ波が立った自分が何とも情けなかった。

 今回、彼女からメールを頂いて改めてこうしたことを考えさせられることになったので、ブログで書かせて頂いても良いか、また、アップする前に目通しして頂く必要はあるかどうか伺ったところ、下記のようなお返事を頂いた。
 「私に関する話題をブログで触れていただけるとのこと、ありがとうございます。 お役に立てる部分があるのでしたら、引用・共感・批判、いかようにも使っていただいて構いません。 サバイバーであることもOKです。 事前の内容確認も特には要りません。全権委任で結構です。どうぞよろしくお願いします。」ということで、今日の記事になっている。
 彼女の無事の“卒業”と、今後の活躍を心より祈りたい。

 今日は今冬一番の冷え込みだったというが、本当に寒かった。やはりここのところ胸部の鈍痛と圧痛がとれないのが気になる。お腹の調子はすっかり本調子に戻ったが、とにかく風邪をひかないように、ひたすらうがい手洗い。痛みはカイロで軽減させて、来週の治療に備えなくては。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする