ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2012.6.25 福島を訪れて思うこと

2012-06-25 19:54:23 | 日記
 昨日、バスツアーで訪れた福島。私が居眠りをしていた間に、夫は車窓から浪江町から避難された方たちの仮設住宅を見た、と言っていた。東日本大震災発生直後の原発事故から1年3か月以上が経過したが、現地の方たちはいまだご自宅に戻れないままだ。

 さくらんぼ農園の方は「ここでは放射能等の問題はありません。」と言っていたし、事実、何の躊躇いもなくお腹一杯のさくらんぼを頂いてきた私だ。
 だが、帰りに立ち寄った土産物店を見るにつけ、何とも複雑な気持ちになった。
 日曜日の午後のことだ。私たち16人のツアーのメンバー以外は店員さんだけ、という閑散とした店内。どのくらい沢山の空席が並んでいただろうか。大食堂を有する昔ながらのドライブインだったが、その後、喫茶のためツアーバスが立ち寄ると見えて、一番入口に近い席に1列だけ紙皿にのった小さい洋菓子とプラスチックのコーヒーカップがポツンと並べられていた。
 昼食の時間帯に多くの観光客で賑わっていたのかどうかはわからない。けれど、ざっと見たところ広い施設の大半は埃をかぶってしばらく使われた形跡がない。
 また、お土産ものの品揃えは言葉は悪いが、何やらとても投げやりな感じで、お世辞にも触手を動かされるような土産物はなかった。

 やはり観光客の足は戻っていないのだろうと思う。
 今回のツアーは「東京在住、通勤・通学者には助成金が予定されています」とパンフレットに記載されていたが、果たして功を奏しているのか。

 東北の南端県、福島。昨日訪れた裏磐梯の他にも会津、猪苗代湖等、風光明媚な観光地が数多くある県だ。東北出身の夫曰く、冬も他の県と違ってそれほど雪に閉ざされないから暮らしやすい土地なのだ、という。

 自分のために一つだけ小さなお土産を買った。
 「転んでも転んでも起き上がるところから、身体は小さいが健康、忍耐をあらわし、いつも元気で働けるよう、また家族や財産が増えるようにとの願いが込められています」とあった説明書きに心を惹かれたのだ。“起き上がり小法師”という会津地方におよそ400年前から伝わる民芸品(男女ペアでカゴに入っているもの)で、起姫(おきひめ)ともいうそうだ。この地の方たちにとっては「赤べこ」の次に馴染みのある郷土玩具だそうで、稚児をかたどった可愛らしいものだ。何度倒しても起き上がる事から「七転八起」の精神を含有し、縁起物としては「無病息災」「家内安全」などと言われているとされる。
 その精神のもと、福島の方たちが必ずや起き上がれるように、このまま悪循環に陥ることがないことを願いたい。

 土日ともフルタイムで出かけた後の月曜日。
 さすがに今朝は長時間バスに揺られていたせいか、身体中がバキバキ痛むし、わずか30分ほどの遊歩道の散策だけでふくらはぎが張っている。
 お天気はいかにも、の梅雨空ではっきりしない。気温も低めのままだ。こういう天気だといつにも増して胸骨の辺りがしくしく痛む。今日も早く寝て、疲れをとってしまわなくては・・・。
コメント (4)
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