「デパートなんて随分久しぶりだ
ちょっと地下の食品売り場を見ていこう」
「おっ! あるある、ゴマ油を買っていこう
ゴマ油は高くても良いのを買わなきゃ、香りが全然違う
これこれ、小さいけれど2500円、これくらいでなけりゃ」
「へえ・・私も一本買おうかな」
「ねえ5階に用事があるんだけどつきあって」
「おやすいごよう」
「ここだ、こんにちわ! 抽選会はここでいいのよね」
「はいどうぞ」
「う~ん 当たってよ、お願いだから」
「あら当たりましたよ!お客様、オリジナルパラソルです」
「良いじゃないのこれ カラフルでかわいい、虹のデザインなのね」
「そうですよ 外国の有名デザイナーのデザインなんですって」
「へえ すごいすごい 彼といるといつもこうなのよ」
「それは それは おめでとうございます」
「嘘 嘘 冗談よ、本気にしないで・・・」
「ねえ私、今とっても良い気分なのね、どう?
化粧水プレゼントしてほしいんだけど、ねえいいでしょ」
「化粧水だって? うん、いいだろ」
「ありがとう ほんと好きよ」
「ねえあなた、これも買って良いでしょ」「...あぁ」
「あ!それも見せてよ、うんそれ透明な・・・そうそれ」
「おい、そんなにお金もってないぞ・・・」
「カード持ってるでしょ」
「そりゃあるけど」
「じゃそれで、お願い」「うん?」
「あなたじゃ無くて、店員さんに言ったの」
「じゃあご主人様、こちらにサインお願いします」
「やあだ ご主人だってよ・・・ふふふ」
「! 56000円だって!」
「いいじゃない1年に一回だけなんだから、感謝してるわよ」
「あなた、これ持ってちょうだい、手がふさがっちゃって」
「嫌だよ、こんな派手な傘」「お願いだから・・・ね! お願い」
「しかたないな」
「おい、なんだかへんなところに来たぞ」
「そうね、どこかしら?売り場じゃないわね」
「バックヤード? 社員専用通路? どこでどうなったのやら」
「エレベーターがある、あれで下りましょ」
「あらら、突然駐車場?」
「デパートの裏なのかなここは」
「まあいいじゃないの、日差しが強いから、そのパラソルさして
相合い傘で歩きましょ・・ご主人様!!」