1960年頃の映画「人間の条件」6部作をテレビで見た
大東亜戦争、満州に住んでいた日本人と終戦間近の弱体した関東軍の
悲劇を描いた映画
同時に日本による中国人に対する高圧的な行為、そしてそのしっぺ返し
敗戦で立場が180度変わる
国が消滅すると言うこと その頼りなさ、恐ろしさを描いている
韓国は1800年代末期までは朝鮮国で朝鮮人だった
北朝鮮は今でも朝鮮人の誇りをもって朝鮮を国名にしているが
韓国人は朝鮮人という言葉を嫌っていると聞いた
朝鮮は日本によって1910年に併合され(当時は大韓帝国)、国を失った
それから35年間、日本が大東亜戦争で負けるまで日本人として生活した
それがどんな生活だったかは戦後生まれの我々は知るすべも無いが
この映画で描かれた日本国の保護を失った満州や朝鮮に住んでいた数百万の
日本人の運命と大差なかったのでは無いだろうか
見下げられ、奴隷のように扱われ、侮辱に耐えて、時には反抗して殺される
そんな亡国の人民の哀れさをこの映画で思った
国がない国民は国民では無いのだ 1000年の流浪の生活を送ったユダヤ人は
ヒットラーのナチスによって民族消滅の危機にさらされた、連合軍が勝利しなければ
ユダヤ人は死に絶えイスラエルは存在しなかったろう
同時にイスラエルの誕生でパレスチナ人の彷徨がおきた
僅かだが自分の国が嫌だという国民がいる
だがいくら税金が高くても、多少の自由はなくとも、少なくとも民主主義国家は
国民の権利や財産や安全を守っている
国家の武装は無いにこした事は無い、しかしこの時間にも敵国を侵略しようとする
勢力は存在しているし、戦争が行われている
侵略戦争は今の日本は行わないだろう、だからといって防御の軍事力を無くせば
侵略されて国土を失うリスクは無いとはいえない
国がなくなる国民の惨めさは、われわれの親世代が体験している
特に女性の受難は歴史が証明している、それを無抵抗で見ているしか無い男たちの
やるせなさ、情けなさ
父は東京育ちで軍隊も調布だったが、終戦後も東京で暮らした
その頃、アメリカ軍が大勢日本に進駐した 米兵の中には不届き者もいて
日本女性の受難も結構あったようだ
まさに国破れて、国民の保護者たる国家は、支配者の暴力を取り締まることができない
これは返還前、返還後の沖縄ではしばしば問題になったことでもあるが
まさにこんな状態が続いていたらしい
兵隊帰りの父はその頃22.3歳だったが、米兵につきまとわれている女性を
見て駆け寄り
米兵に向かって一か八かで先輩に教えてもらった英語
「 My sister」と言った すると米兵はすごすごと立ち去ったという
終戦から7年間ほど、日本は占領され国の独立を失った事を知らない人は多い
私が生まれた1950年は、まさにアメリカの占領下にあって、日本国主権では無かった
国籍こそ日本だが、全てアメリカの占領方針で動いた時代であった
アメリカかぶれと言われたわれわれ世代だが、あながち間違いでは無いかもしれない
自分の国が無くなる これだけは絶対あってはならない