神様がくれた休日 (ホッとしたい時間)


神様がくれた素晴らしい人生(yottin blog)

シルティジョンの放浪記(4)

2016年07月29日 19時11分53秒 | フーテンの寅ねこ わんにゃん

これまでの1ヶ月少々の足取りを思い返してみた

最初は我が家から東3kmほどの住宅地で目撃があった

翌日か翌々日には山越えをした集落で見た人がいた

この集落は我が家の南東7~8km

それから10日ほどあとに例の国道を歩いていて工場に逃げた

ここは西に約10km

そしてしばらくはこの周囲半径2km程の範囲にいた

それから東に3kmほど移動して川沿いに出た

その後は目撃者がいない

夏子はジョンが死んだと決め込んで隣町のペットショップに出かけた

たった3日ほど一緒にいただけなのだから無理に後継犬を飼う必要もない

のにと昭輔は思うが好きにさせておけば良いとも思った

ペットショップから戻ってきた夏子は弾んだ声で

「決めてきたの、キャバリアよ」

キャバリアと聞いても昭輔には少しもわからない

昔飼っていたのは雑種の赤犬で、犬など買ってくる時代ではなかった

犬を買うこと自体、昭輔には理解できない

「1週間後に受け渡しだから、その時は一緒に行って頂戴ね」

何事も決めたら一方的に進めるイノシシのような性質なのだ

 

ジョンが家を飛び出して48日が過ぎた日、二人は新しい犬を受け取りに出かけた

ペットショップは犬の鳴き声で溢れていた

数十匹の子犬がそれぞれ狭い鳥かごのようなゲージに入れられている

眠っているもの、小便を垂れ流している犬、愛嬌を振りまいているやつ

そんな中に我が家の犬もいた「この犬」と夏子が指さした

その犬は隣の籠の子猫と互いに籠の中から手を伸ばし合ってじゃれていた

どちらの籠にも売約済みの札が貼ってあった

「もぐらだな、こいつ」と昭輔が言うと、夏子は「なにそれ?」むっとした

 

家に着くとあらかじめ夏子が組み立てておいたケージの中に

小さなキャバリアを入れた

大人しい犬でキャンとも言わない、ただ後ろ足で立ち上がってケージからこっちを見ている

キャバリアは正式には「キャバリア キングチャールズ スパニエル」というのだそうだ

イギリス王室の愛玩犬が由来らしい 同じイギリスでも牧羊犬のシルティとは位が違うようだ

白と茶の二色が配置よく、それなりに綺麗な犬だ 毛はつやつやと輝いている

特徴は大きな垂れ下がった耳、そして赤塚不二夫の漫画のウナギ犬のような尻尾

別の言い方をすれば自動車の洗車ブラシ

難点は目が飛び出ていること

あとで知ったが、キャバリアを買うときの注意点の一つは目が飛び出ていないものを

というのがあった

ともあれ夏子はご満悦である、もうすっかりジョンの事は頭から抜けているようだった

 

ところが翌日の昼・・・ジョンが発見された

以前目撃された川縁の発電所から10kmほど上流の小さな集落、田中さんという家に数日前から

犬がやってくるのだという

田中さんも室内犬を飼っていてエサの空き缶を外に出しておくのだが、その空き缶を

舐めに毎日来るという、可哀想なのでたまに残り御飯なども与えていたという

近くの畑でキャベツをかじっていたのも数回目撃したと言った

そして昨日、我が家の捜索が出ていた迷子犬であることを知ったので連絡したという

おそらく明日も田中家にやってくる事は間違いないので、捕獲したらどうかという

さっそく田中家に出かけてお礼を言って、保健所と捕獲の相談をするのでご協力をお願いしますと

頼んできた

保健所に連絡すると「網で捕獲しますか」「檻にエサを入れて食べると入り口が閉まる方法」

どちらが良いですかと聞かれた「お任せします」と言ったら「じゃあ檻の方でやります」

電話を切ってから昭輔は夏子に「犬は馬鹿じゃないよ、檻なんかにおめおめと入るものか」と言った

すると夏子は「腹が減ってるんだからそれどころじゃないわ、きっと入るよ」と反論した

結果は夏子の言うとおりで、いとも簡単にジョンは食い物につられて捕まった」

脱走50日目の夕方だった 50日間の放浪は空腹の末終わった

檻から出すと痩せこけたジョンは少しも抵抗せず鎖に繋がれた

そのまま夏子の車に乗せられて家に戻った

昭輔は残って、田中さんの家族に篤く御礼を述べて帰路についた

家に戻ると夏子は「ばか! ばかなんだから!!」と泣きながら風呂場でジョンを洗っていた

 

そんなわけで一気に2匹の犬を飼うことになった

面白いことに、犬は先に飼われた方が地位が上という犬のルールがあるらしく

生後1~2ヶ月のキャバリアの方が成犬のジョンの上位を自認していた

その関係は数年後の今でも同じだ

実際には50日前にジョンがこの家に来ていたわけで先輩なのだが

2匹が顔を合わせたときにはキャバリアが先にいたと言うことになる、たった1日だが

これは人間界の職人の世界でも同じ事だ、年齢は関係ない

そんなことでジョンの放浪50日はこれにて完結

                                            おわり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


なんか不思議な気分

2016年07月28日 20時36分44秒 | 雑記

ジンセイカワッタ 65歳になった途端に

なんだか一年

フクロウさんが玄関に立って

2年近く閉店していた店を内装工事して再開店したら

幼稚園の給食ケータリングを半年任されて

そうしたら半年の間にメタボから標準体に変身

体重7kg 胴囲10cm 肝脂肪 皮下脂肪半減の健康体になった

1月には調理を覚えたいといって栄養士の大学入学が決まった女子高生が来て

2ヶ月間「めんこい弟子」の師匠になった

給食終わって閑になったら本店の欠員が出て、体をそっちに持って行った

今度は白い猫が玄関先でピーピー鳴いていて

可哀想だから飼った  フシギナコトニ

女子留学生が3年ほど前にお土産にくれた手作り招き猫にそっくり

この頃の生活ときたら 毎日90%が調理人人生

夜は92歳になる父の家で寝たり

ずっと空き家にしていた家で寝たり

ネコに部屋を占領されて以来、深夜は放浪生活

おかげで毎朝5時起きで健康的な生活と誰よりも早く出社するようになった

ようやく一人前の店主になったかも

最近は福の神がお手伝いにやってきてくれる

正直嬉しい

    

 


シルティジョンの放浪記(3)

2016年07月27日 08時37分48秒 | フーテンの寅ねこ わんにゃん

このように、あと一歩というところで逃げられてしまい、その後の足取りが途絶えた

それは情報が出てこないと言うことに他ならない

それは当然で、仮に見た人がいても我が家の迷子犬だなんて知らないのだから

そこで昭輔が次に打った手はローカル新聞にお願いして「迷子犬さがしてます」の記事を

掲載してもらった

すると、すぐに電話がかかってきた、貯水池から西に近い寺の大奥さんからであった

「お宅のらしい犬が寺の門のところにいましたよ」というので早速、寺を訪ねてきいてみた

すると近所で見かけた人も数人いることがわかった

再会から5日ほど過ぎていたが、どうやらこの辺りにいるようだ

それから二人は、別々にこの周辺1km範囲を数日探したがいなかった

車で探したり、歩いて探したり

そのうちに市の広報で貯水池でクマが発見されたという情報が流れた

昭輔はジョンがクマと間違われたのではないか、猟友会に打たれたらどうしようと思った

夏子はジョンがクマに襲われるのではと心配した

 

すると今度は貯水池から東に2kmほどの一級河川敷にある運送会社の奥さんからと

その近くの発電所の住人の二人から「見た」という電話が入った

西側の寺と貯水池と河川敷は一本の同じ道でつながっている

ジョンは寺のある集落から貯水池を通って、川に出たらしい

発電所の住人は「あの桜の木の下でのんびり寝てたよ」と言った

ともあれ足取りはつかめた、川沿いに登ったか下ったかどちらかしかない

もっとも寺の方向に戻る可能性もある

季節は6月半ば、そろそろ梅雨の季節だがありがたいことに空梅雨もようだ

その代わり、暑い日が続いている

そんな中を二人は捜し歩いた、今までにないほど歩いた

汗だくになって歩いた、車でも探した、毎日2時間は探し回った、朝も昼も夕方も

山の林道も探した、それでも見つからなかった、一体なにを食べて生きているのだろうか

もう空腹の末にのたれ死にをしたのではないか?

だんだん考え方が暗い方に傾いていった

情報がまたぴたっと途絶えてしまった

「もう死んだんだわ 新しい犬を買って飼うことにする」

突然、夏子が言い出したので昭輔は驚いた、言い出したら聞かない夏子である

昭輔は無言で思った、(その前に見つけよう)

夏子が連れてきた犬なのに、探しているうちに昭輔にはジョンへの情が湧いてきたのだった

 

                                        つづく


シルティジョンの放浪記(2)

2016年07月26日 12時57分09秒 | フーテンの寅ねこ わんにゃん

それから3日間たっても戻ってこなかった

もともと放浪をしていた犬であるし、多分以前の飼い主だっていただろう

数百㎞、数千㎞の距離を数年かかって戻ったという特殊な例もあるが

そんな時、不明の翌日5kmほど東の集落で見た人がいるという情報があった

「放っておくわけにも行かない」と言って動き出したのは夏子の夫、昭輔だった

昭輔はパソコンに残っていたジョンの写真を使って手配書を作成した

それを市内の食堂にお願いして貼ってもらった

特徴もいくつか書いておいた

すると2日後に食堂の店員からタイムリーな情報電話が入った

場所は今度は西に10kmの国道をたった今歩いていたというのである

車が渋滞してのろのろ運転がつづいているので不思議に思っていたが

原因は車道をゆっくり歩いている犬だった、しかもそれは勤務する食堂に貼ってあった犬に間違いない

さっそく電話をくれたというわけだ

夏子は車に飛び乗って国道に向かった、10分ほどで現場に着くはずだ

しかし国道では発見できなかったので、道路工事の交通整理をしていたおじさんに

「こういう犬を見ませんでした?」と手配書を見せたが「見ていない」という返事だった

それでしばらく国道沿いを走っていたら、さっきのおじさんから携帯に電話が入った

「たった今、ここを通って化学工場の方に歩いて行ったよ、捕まえれば良かったが怖いしね、すまない」

電話番号を教えておいたのが功を奏した

急いで化学工場に向かった 工場の広い駐車場の向こうに犬がいた

まぎれもないジョンであった おもわず「ジョン!」と夏子は叫んだ

涙がこぼれそうになった

ジョンがいぶかしげに、そして恐る恐る近づいてくる

腰を下ろして「ジョン ジョン おいでジョン」

10m 5m どんどん近づいて来た とうとう捕まえた・・・と

手を差し出した  刹那!

くるりと方向転換したジョンは走って、工場の門の中に消えていった

門の守衛に「犬が入っていったので入れて下さい」と言ったが

「決まりですから」と断られた、それでも監視カメラのモニターを見てくれて

「貯水池の方に行きましたね」と言った

貯水池は正反対の方向で、工場をぐるりと大回りしなければならない

歩いても車でも15分くらいかかる場所だった、行って見たが姿はなかった

                                          つづく

 


うな丼 いよいよ夏本番

2016年07月26日 10時40分52秒 | 料理を作る・食べる

先日、北陸/越後も梅雨明け宣言が出て毎日の快晴

昨日は少し曇り空だけど、いよいよ「うな丼」を注文するお客様が増えてきた

汗だくで働いた後のビールとか「うな丼」とかは夏の楽しみです


さあ千秋楽 予想通りの荒れ場所

2016年07月24日 14時04分46秒 | 大相撲

予想通り「金星、銀星、座布団」舞飛ぶ荒れた7月場所になった

横綱大関がばたつくのは、下の層が厚くなってきたからで予想通りだったが

まさか横綱鶴竜と大関琴奨菊がノーマークとはいえ早々の休場になるとは予想外

遠藤と琴勇輝は正反対の結果になった、これほど負け込むとは?

今日、日馬富士が負けて、稀勢の里が勝つと優勝決定戦に進む

仮にここで稀勢の里が優勝としても12勝

日馬富士の負けに期待する他力本願(自力優勝なし)からの優勝だから

これで横綱昇進は日本人の気持ちとしてはさせたいけれど、無理がありすぎる

緊急製造の横綱は短命に終わる

横綱になってから10勝、9勝では目も当てられない

やっぱり文句なしの優勝で横綱をもぎ取ってもらいたい

だけどケガと優勝の目がなくなった白鵬と対戦する日馬富士のほうが

勝ち越しがかかる豪栄道戦の稀勢の里より若干有利か?

その反対もあるか  わからん

第三の男 貴ノ岩の優勝は・・・・ないね!

 

白鵬、稀勢の里の2人が別格、そこに日馬富士が食らいついているという構図

そのほかは大関から平幕上位までほとんど力の差がなくなっている

来場所も混戦するねきっと 


シルティジョンの放浪記(1)

2016年07月24日 07時32分18秒 | フーテンの寅ねこ わんにゃん

中越地震.中越沖地震で被害を被ったのは人間だけでなかった

多くの犬や猫も家や飼い主を失った

パニックになって帰る家を見失ったり、交通事故に遭ったり

そんな風になって放浪生活になってしまった犬が保護された

保護とは言え一時預かりの施設の狭い檻に入れられて飼い主が探しに来るか

新しい飼い主に引き取られるか、それがだめだと待っているのは「殺処分」という」死刑

 

ある迷子の中型犬シぇルティ(シェットランドシープドッグ)がそこに保護された

シェットランドシープドッグの原形は英国スコットランドの牧羊犬である

知らない人はコリー犬と間違える、頭部は上半身はまさにコリーそっくりだが

中型犬で足と胴の比率は足長のコリーより短足だ

 

佐伯亮子が2匹目の犬をほしいと言って、この施設を訪れたのは4月の末

亮子は10年前に40代の夫を亡くして以来、ペットのパグ犬が唯一の慰めだった

その犬も年取ってきたので次の犬に目を向けたのだった

友達の工藤夏子も同伴した

そして、このシルティを資格審査の上、引き取ることが決まった

帰りの車の中で、ずっと夏子がこの犬を抱いてきた

年齢はすでに5~7歳くらいになっていた、地震を体験したのせいか臆病だった

 

1ヶ月ほど経って亮子が訪ねて来て、困った顔で夏子に言った

今までいた犬と相性が悪くて、とても2匹同時に飼うことが出来なくなったので

もらってもらえないかとというのだ

夏子の家には犬はいなかったし、夫婦共に犬を飼った経験があり犬好きだ

夏子は簡単に承諾して家に連れてきた「ジョン」と名付けた

英国犬には相応しい名前だ

とにかく何かに怯えたような表情、大人しくて吠えることもなく飼いやすさはあった

しかし3日後、油断していた

玄関のドアを開けた途端、今までの行動からは想像できない素早さで

「さっと」外に逃げ出して、行方がわからなくなった

エサと寝床を玄関前に置いて、帰って来ると信じて待った

 

夜中にエサを食べる物音がして(帰ってきた)と喜んで玄関先を窓から見た

えさを食べていたのは、イタチか何かの黄金色の中型生物だった

                                      つづく

 

 

 


やっぱり酒は百薬の長だわ!

2016年07月19日 20時29分07秒 | ライフスタイル

完全復活ですかね

今夜はメインバンクの納涼会で、いろんな人とお話しさせていただいたり

酒もしこたま飲んだし

久しぶりに楽しい気分です

町では祇園祭が開催されていて、息子もそば売りをしています

これから行って食べてきます


けっこう福耳

2016年07月17日 20時38分00秒 | どうでもいいこと

なかなか難しい人生なんだけど

けっこう福耳なんだよね

どんどん追い詰められるんだけど

いよいよとなると助け船が突然現れる

これって福耳だよね

無いものばかり 不足ばかりなんだけど

気がつくと満杯に戻ってる

これってやっぱり福耳でしょ

 

だけど「待ちぼうけ」ってわけじゃないんだ

アヒルの水かきみたいに

いつも足だけは動かしているから

いろんな助けが来てくれるんだよね

やっぱり福耳だと「やりがい」があるね

これって自信持てるし

これで生きてきたんだ