文芸春秋十一月号を夫が買ってきました。大変興味深い記事を見つけました。それは、
『清国史を知ればチベット弾圧がわかる』・・・・・平野聡
なんと中国3000年か、あるいは4000年の歴史・・・・・これは日本人が隣邦に寄せていた歴史感覚で、清朝滅亡後中華人民共和国が取り入れたものなんだそうです。日本人は自分たちの国家観を中原に入れ替わる様々な国を当てはめたのだそうです・・・・・つまり、隋や唐、あるいは周や秦などは鎌倉幕府や江戸幕府のようなもので、中国という国の内部事情だと・・・・・まあ、それが理想なので、易姓革命という口実を作り出したんですよね。実際に起こっていたのは異民族による侵攻で全く別の国家の興亡だったのに・・・・・です。そして、日本人の中国歴史観が中華人民共和国に清朝の領土を中華人民共和国の領土だと主張させ、チベットやウイグルの清朝との隷属関係を自分のものとし版図内に取り入れる根拠なんだそうです。都合の良い日本人の歴史観を採用したというわけです。それでチベットやウイグルは中華人民共和国と隷属関係を結んだ覚えがないのに、自分たちの自由を侵されていると実感しているらしいのです。
考えてみれば、ヨーロッパでローマの領土がイタリアの領土だ・・・・・なんて言ったら噴飯ものですよね。あるいは、フランク王国がドイツの版図だなんて言ったら?????・・・・・フランスの?????まあ、中国大陸は現代世界の盲点だったのかもしれません。アフリカのようにならなくて良かったのかもしれませんが、清朝周辺の民族にとっては訳の分からない事態で、今後独立問題がくすぶり続ける地域になるかもしれません。
それにしても日本は、どうやら、その昔から正義の徒・・・・・ある意味お人好し、ではなくて、非現実主義だったのでしょうか???・・・これは大和朝廷の大宥和政策―――大和の理想の反面の成果なんだと思います。この記事はとても良い指摘だと思いましたし、自分の持っていなかった視点を開いてもらいました。