一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

389  兄弟におくれて一人十三夜    登美

2011年10月08日 | 

 (きょうだいに/  おくれてひとり/  じゅうさんや)

 

陰暦9月13日(十三夜)の月を「後の月」という。「豆名月」、「栗名月」、「名残の月」、「女名月」、「姥月」ともいう。

今年の十三夜は、明日10月9日である。一月遅れの名月を、十五日ではなく、何故13日に祝うのか、理由は分らない。

 

 さて、兄弟の集まる十三夜の月見の宴に、ある事情で作者一人が遅れてしまった。急がなくっちゃ、という意味にも取れるが、どうやらそうではないようだ。

 

 この句に併記して「九十才吾に驚く十三夜」という句があるから、「遅れて」は、どうやら「あの世へ行き遅れて」という意味らしい。

 つまり、兄弟が皆あの世へ逝ってしまって、私一人残されて十三夜の月を眺めている、ということらしい。

 

 長生きは、素晴らしいことではあるが、なかなか、辛いことや淋しいもあるようである。しかし、「長生きは命の芸術」という言葉もある。ですから長生きして、金さん銀さんのように、私達に元気を与えて下さいませませ。

 

エゾリンドウ(蝦夷竜胆)

コメント
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