(ふたにさけと/しんらんをのせ/よながぶろ)
自慢じゃないが、私は暑さには結構強いが、寒がりである。今頃の「やや寒」「うそ寒」「そぞろ寒」「肌寒」などというのは、大嫌いだ。だから、もう若くもないし、決して痩せ我慢はしないことにしている。
そこで四,五年前から、夜はもとより、朝風呂に入るのが日課になった。しかし、家庭風呂は、温まるまでに退屈して、じきに出たくなってしまう。
そこで、風呂の中で本を読むことにした。勿論、酒やラジオを、時によっては酒肴も持ち込むこともある。ぬるめの湯にゆっくり浸かり、びっしょり汗をかくまで入る。
先日、五木寛之氏が私と同じことをしているので、大笑い。しかし、彼は更に私の上を行っているので、感心してしまった。
彼は、風呂に入っても、決して身体を洗わないそうだ。勿論髪も洗わない。これは、実に理に適っている。これが分らない人は、たぶん現代病にかかっている。
この句にあえて「親鸞」を選んだのは、五木寛之氏への賞賛の故である。
シオン(紫苑)