一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1942   緊急の連絡先は春の空   洋子

2018年05月18日 | 岩戸句会 第五句集「何」

  今は、誰でも携帯電話を持ち歩き、緊急の時はいつでも何処からでも電話をすることが出来ます。私も庭仕事の時は、一人で斜面の草取り、草木の伐採、大焚火をするので、携帯電話をしっかり仕事着に入れています。でも、今までに少々危ない目にあっても電話したことはありません。

  家の中では、「あなたは独居老人ですから、緊急用装置をつけてあげましょう」と、熱海市が天井に取り付けてくれました。一日以上人影がないと通報してくれるそうですが、これも5年間使ったことはありません。ところが旅行の時などに、留守を連絡しておかないと、息子のところに電話がかかり、内緒の旅行がばれてしまったりしました。でも、私は誰にも連絡するつもりはないのです。なるようになれケセラセラです。

  誰かの詩に天国にいる犬が、急に仲間から走り出すことがあるそうで、自分のご主人が亡くなった時、一目散に飛んで行くそうです。私も、二十年飼っていた大好きなタローに会えるんだ、と思うと嬉しくなります。きっと仲良しのモモちゃんも一緒に。

  一人暮らしの私は、体力を持続できるように、今はヨガ、水泳、テニスに励んでいます。タロー、モモちゃんも、緊急の時は素早く走ってこられるように、足腰をしっかり鍛えておいて下さいね。 

陽だまりに犬と寄り添う春隣

大手まり青ざめて咲く今が好き

髪切って春一番に吹かれおり

幾年も納戸に眠る鯉幟

風が研ぐ空の青さや花辛夷

 

荒梅雨や二人して見る生命線

布袋草咲けば貴女の誕生日

雷鳴やテネシーワルツを切り刻む

俎板も食器も白く更衣

せせらぎでしばし涼まん犬の舌

 

貴方には桔梗の花の切手貼り

この家の行く末思い草を引く

秋彼岸親分肌の友が逝く

花野行く自然治癒力信じつつ

たおやかにムラサキシキブ揺れるのみ

 

人生の今どのあたり烏瓜

庭仕事休める指に秋時雨

老犬の目穏やか柿をむく

冬帝やクリームシチューに味噌加え

スーパーにあふるる孤独蜜柑買う

 

立冬や願いをもちてわれ老いん

旧友で少し恋人雪見酒

初笑い羽織袴の犬が来て

年寄りに恋の火種やバレンタイン

今日だけは暖房止めて兼好忌

(岩戸句会第五句集「何」より 原洋子)

我が庭のいずれあやめかかきつばた

 

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