一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1945   笑いヨガの教室に湧く初笑い   薪

2018年05月21日 | 岩戸句会 第五句集「何」

〈ヨーガ、 yoga(梵)。古代から伝わるインドの宗教的実践の方法。精神を統一し、物質的束縛から解脱をはかる。現在では健康法の一つとしても行われる。〉                 

 私は、三、四年前から週一回、近くの公民館の体操教室に、かなり真面目に通っている。市の社会福祉協議会から女性の先生が来て下さり、一時間半ほどしっかり体を動かし、指導を受けている。生徒は、ほぼ全員女性の高齢者である。「死ぬまで元気」を合い言葉に、みんな必死でガンバっている。

 ある日 “ 笑いヨガ ”なるものを教えて下さった。まず、面白くなくても声を出して笑う。大声で笑いながらニワトリのように教室内を走り回る。出会う人の目を見て笑い合う。作り笑いでも、  アッハ・アッハ。キャッキャッ。と笑っているうちに、何だか楽しくなってくるのである。窓の外から覗いている人がいたら、異様な光景にびっくりしたと思う。頭をからっぽにして、大声で笑って、走り回って、幼児になったような一刻。開放感を味わえた。“ 笑いヨガ ”またやってみたいと思う。

 

うぐいすや前頭前野に沁みわたる

電柱の天辺に鴉フクシマ忌

陽炎や子ら笑い合いもつれ合い

老兵の囲む盤面飛花落花

唄うようにメルシィーと応え新樹光

 

S・Lの汽笛にはしゃぐみどりかな

筍を抱けば赤子の湿りかな

口中に味無きガムや蝉の羽化

折り返すバス耿耿と蛍の夜

風切羽拾いて挿せり夏帽子

 

冷酒や兄に少しのお説教

腹這いて灼ける河原の石を抱く

コロッケの包みの匂う敗戦日

蛇の子の意地の顎して轢かれおり

爽やかやホップ・ステップ島へ跳ぶ

 

林檎割れば面梟の貌現るる

狗尾草夕日に小骨透けており

露けしや遺影かすかに笑み給う

アンドロイドに瞬き生まれ星まつり

少年の一節伸びて月の影

 

夜廻りの鐘引き返す峠かな

冬山の気魄飲み干す「 一杯水 」

錐揉みに鳶吸い込めり冬青空

オウム貝抱き丹沢山塊眠りたり

ピータンの核の混沌女正月

(岩戸句会第五句集「何」より 石川 薪)

ヒメツルニチニチソウ(姫蔓日々草)

 

コメント
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