この句は、初めて句会で皆さんの支持をいただいた句です。特に芸大の平山郁夫さんの事務所にいた村井良一さん(となみ)さんから「僕もとてもいい句だと思い、選句しました」と誉めていただきました。上手く俳句ができないので、いつも止めたい、と思っていたので、とても励みになりました。
もう一人は、西行さくらさんで、いつも拙い私に、一から色々と教えていただきました。お蔭で、今日まで続けて来られたのだと思います。
本当に、お二人には感謝しています。これからもよろしくお願い致します。
美しき早春の旅始まりぬ
来し方の遠くで迎う雛の眼
嫁がない娘待ってる雛の宵
目黒川桜の中を流れけり
春の海群青世界鳶一羽
船人の海に突き出る桜かな
女子会やおかめ桜で舌鼓
母の日や天地無用の箱届く
ひらひらと光透かして竹落葉
梅雨晴間メールのパリはすぐ隣
紫陽花が雨の光となるところ
さくらんぼ口に広がる初恋よ
夏椿今日の夕日を惜しみけり
水音に耳が慣れゆく月涼し
暫くは蓮一面に身を包む
眠れぬ夜庭一面に月涼し
晩秋の唐招提寺甍波
通夜の雨ひととき止みて紅葉散る
晩秋の月の道行く薪能
初冬に息子と見るよディオール展
吹き上がり大仏撫でる落葉かな
冬の月重たきまでに澄みにけり
目が覚めて寒月の美にはっとする
冬木立夕日大きく呑み込みぬ
大寒に鵺の名碗美術館
(岩戸句会第五句集「何」より 高杉 鞠)
シラン(紫蘭)