すぎもとまさと氏は「吾亦紅」のヒットが記憶に新しいところです。杉本眞人名義での作曲はもちろん、歌の方でもいぶし銀のような独特の持ち味で聴く者を魅了します。
そんなすぎもと氏がまたいい曲を出しました。この「アパートの鍵」は、歌詞が阿久悠氏の未発表曲で、青春の一時期をしみじみと回顧するような内容で、曲の方はフォーク調の哀愁を帯びたメロディーです。
それにしても阿久悠氏は亡くなった後もこのように次々と未発表のいい作品が世に出てきて、本当に偉大な存在だったことを改めて実感します。また、その作品に新しい命を与えるごとくいい曲を書く作曲者もまた偉大だと思います。
優れた歌詞に優れた曲、そして作曲者自らその曲を歌うことで、ここに聴く者の心をとらえて離さない名曲がまた一つ生まれたのです。