岩本公水さんは中堅どころの正統派演歌歌手として安定した活躍をされています。彼女の曲をここで取り上げるのはもう10年も前の『さいはて岬』以来となりますが、『片時雨』が先日の千葉一夫さんの『霧雨川』に続く、新曲歌謡レッスンの3曲目のレッスン曲であることがきっかけです。
「片時雨」とは大辞林によると「ある場所では時雨が降っていて、別の場所では晴れていること。」とあり、俳句では冬の季語です。この曲は男に捨てられた女の心情を内容としており、心の片隅には悲しみの雨が降っているという心境を象徴したタイトルだと思われます。
彼女自身の動画コメントによると、低音を重視した難しい曲なので、そんなに簡単に歌ってほしくないとの気持ちで取り組んでいるとのことで、プロ歌手としての実力に裏付けられた発言だと思います。また、歌うコツとしては気分を落ち着けて、ゆったりした気持ちになることが大切とのことです。
確かにこの曲、音域は広いですし、一人の女性が酒場で別れた人を偲ぶという心情を表現するのは難しいと思いますが、レッスンでの注意点もしっかりマスターして歌っていきたいと思います。
彼女はオフィシャルサイトによると、「品川音頭2017」による町おこしや「音羽ゆりかご会」での童謡など幅広く歌手活動に精進されていますが、この『片時雨』もヒットして王道演歌の道をますます究めていってほしいと願っています。