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4月18日(土) あなたを忘れない。

2020年04月20日 03時54分15秒 | 2020年

 7時起床。

 8時前に妻と娘も起きてくる。

 朝食は、山上蒲鉾店さんの伊達巻、鎌倉ハム村井商会さんのウインナー、野澤作蔵商店さんから購入した鮑屋さんの鯖(梅しそオイル漬け)など、前職で出会った魅力的な会社さんの商品が並んだ。娘は特に山上さんの伊達巻が大好きで、しっとりとした食感と甘さから「ケーキ」と呼んでいる。今日も「ケーキおかわり」と盛んにおかわりを要求していた。確かに、伊達巻は魚のケーキといっても間違いではないような気がする。

 朝から降っていた雨がどんどん強くなっていく。10時過ぎになって、娘から「まってまってしよー」(追いかけっこしよう)と誘われて寝室まで追いかけていったら、窓際のサッシ手前の木枠部分から雨漏りしていることに気づいた。娘よ、ありがとう。ここは台風など強い雨と風に襲われた時に雨漏りする場所なのだが、今日はそれほど強い雨とは思っていなかったので油断していた。

娘が気づかせてくれた時には、もう既に障子の下がやられていた。仕方ない。

 さっそく妻と対処する。以前はビニールを使って落ちてくる水滴を1箇所にまとめてバケツに溜めたのだが、今日は日中ということもあって、まとめた水滴がそのまま窓枠より外へ流れるようにした。これなら、室内に水を溜めなくて済む。窓が閉められないので若干風が入ってきてしまうが、こういう時期なのでいい換気になるだろう。雨漏りもかれこれ3度目となると、対処にも随分と慣れるものである。

落ちてきた水滴はそのまま外へ流す。室内のタオルと湯桶は念のために準備してあるだけ。

 昼食は昨日の揚げ物などの入ったあんかけ。ご飯にのせて食べる。

 娘がお昼寝に入ったところでおやつタイム。湘南ゴールドチョコレートを食べる。これも野澤作蔵商店から購入したもので、他に片浦レモンと小田原みかんのチョコレートがある。どれもしっかり柑橘の酸味が感じられて美味しい。癖になる味である。

 妻と一緒に再放送されていた『時をかける少女』を観る。妻は既に観たことがあるとのことだったが、私は(おそらく)初めて。「なんだこの棒読みの演技は」とか「原田知世って今のほうが全然かわいいな」などと文句を言いつつも、何だかんだで最後まで観てしまった。この設定を考えた人はやはりすごいと思うし、個人的には最後の終わり方、再会の仕方が好きだ。今となってはベタなのかもしれないが、それがいい。

 続いて、テレビで競馬を観る。今日は年に2回のG1障害レース「中山グランドジャンプ」(中山競馬場、障害4250m戦)。オジュウチョウサンが前人未踏の5連覇に挑んだ。結果は、単勝1.1倍の人気に応えてオジュウチョウサンが優勝。見事に5連覇を達成した。

 しかし、個人的には、この素晴らしい記録の達成に心躍ることはなかった。理由は後述する。

 娘が起きてきたところでちょうど天気も回復してきたので、家族3人でお散歩に出掛ける。岸根公園方面へ、人の少ない道を歩いていく。人が多そうなので岸根公園へは行かない。そして、私は買い物のため途中でフェイドアウト。

 買い物の目的はハンドソープの詰替え用だったのだが、最初に入った岸根公園駅前のドラッグストアでは売り切れていた。うそ?まさか…と思いながら近くの別のお店へ行ったら、そこでも綺麗に棚が空っぽだった。仕方がないので新横浜駅方面へも歩き、結局合計で9店舗も回って何とかラスト1個が残っているのを見つけた。ハンドソープまでもが売り切れている状況にも、徒歩圏内に9店舗もドラッグストアがあることにも驚いた。まあ、どこも閑散としていたし、運動不足の解消にもなったのでいいのだが、こういうことをしなくて済むようにマスクやアルコールスプレーを通販で買ったのにと思うと複雑な気持ちである。

 帰宅後、すぐに娘とお風呂に入る。家から帰ったら出来るだけ早くお風呂に入るというのも有効なコロナ対策のひとつだと聞いた。ハンドソープについては、先に購入した自動で泡が出るものの詰替え用を追加で2つ、比較的良心的な値段(それでも定価の2倍強の価格だ)で出ていたネット通販で購入した。更に、この自動で泡が出るものは娘専用にして、私たち大人は普通の石鹸をしっかり泡立てて使用することにした。幸運にも、石鹸はもらいもののストックが大量にある。ハンドソープしか使わないからといって捨てたりしなくて良かった。

 夕食はお好み焼き。妻の作ったものに限らず、私は家で作るお好み焼きが好きではないのだが、娘は大好きのようだ。私が小さな1枚しか食べなかったのに対して、娘は3回もおかわりしていた。

 娘を寝かしつけている間に、私も一緒に眠ってしまう。

 先ほどの競馬、中山グランドジャンプの話。オジュウチョウサンの5連覇は素晴らしい偉業である。しかし、残念ながら私はその偉業を喜ぶ心境ではない。このレースで、落馬などの競走中止が3頭も出てしまったからだ。それでなくても4250mという超長距離レースである上、大雨直後の超不良馬場で行われたためにかなりの消耗戦になり、途中で力尽きる馬が出てきたのである。

 その中でも、最後の障害を飛び越えたものの、着地で頭から崩れ落ちて立てなくなった馬がいた。思わず目を背けたくなるような崩れ方だった。昨年の最優秀障害馬で、このレースでも2番人気に支持されていた。私の前職のお客さんの所有馬ということもあって、個人的にも応援していた馬だ。最後の障害の前にはもう手応えがかなり怪しくなっていて、勝たなくていいからとにかく無事に…と願っていたのだが、最悪の結果になってしまった。着地を失敗して転んだのではなく、心臓発作だったそうだ。予後不良(安楽死)ではなく、死亡。そのまま起き上がることがなかった、ということである。

 その馬の名前は、シングンマイケルという。同じオーナーが強い想いで種牡馬にしたシングンオペラという馬の代表産駒で、昨年末の中山大障害でG1初制覇を成し遂げた一流のジャンパーである。父・シングンオペラは既に他界しており、所属していた高市厩舎の高市調教師も今年の2月に亡くなった。オーナーも、関係者も、ファンも、彼にかける想いには特別なものがった。

 競馬に事故は付き物である。特に、障害レースは事故が多い。私もそれを理解した上で競馬を楽しんでいる。しかし、自分の応援していた馬が、オーナーや関わった調教師さんなどの特別な想いがあることを知っている馬が…というのは初めてだ。簡単に「ご冥福を…」などとは言えない心境である。私にできるのは、シングンマイケルという素晴らしい馬がいたことを忘れないことぐらいだろう。どうか、安らかに。