社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

9月14日(金) 歯医者が長引いて娘のお風呂に間に合わず。

2018年09月14日 23時54分51秒 | 2018年

 7時起床。娘の世話を妻から引き継いで、居間でしばし遊ぶ。8時頃におむつが爆発しそうなほど大量のうんちをして、その後すぐにミルクを一気に110ml飲み干し、そのまま腕の中で寝入ってしまった。今日は随分スムーズだ。

 朝食はバナナ2本。妻が生協で間違って5袋も注文してしまったそうで、冷蔵庫には大量のバナナが眠っている。既に黒くなってきているものもあるので、朝は当分バナナ生活だろう。

 午前中にエアコンの掃除をする。引っ越した直後の7月上旬にもやったのだが、最近また送風時に臭いが気になるようになった。この2ヶ月は本当にエアコンを酷使したから、仕方ない。フィルターを洗い、フィンに洗浄スプレーをしてから、泡の洗浄剤を送風口のファンの奥まで充満させる。泡をまんべんなくファンの内部に行きわたらせたら、たまにファンを回しつつ、30分放置。その後、水で念入りに洗い流せば完了だ。所要時間は1時間強。これで、嫌な臭いも完全に消える。

 昼食を食べながらふとベビーサークルのほうへ目をやると、娘の頭がやけに柵の上に出ている。よく見ると、ベビー椅子の手すり部分の上に乗って立っている。しかも、ベビー椅子もわざわざ自分で柵の近くまで押してきたようだ。確かに、こうすれば完全に柵の上に顔が出るから、私たちの様子も、テレビも、よく見える。私の頭の中で、もうそんなことを考えつくのかという驚きと感動が、そのまま倒れたらやばいという危機感を掻き消しそうになる。いかんいかん。サークル内で娘を1人にする時は、ベビー椅子は外に出しておくことにしよう。

 夕方、歯医者へ行く。昔の詰め物が取れてしまったところの再治療だ。そのついでに駅まで買い物に出て、ヨドバシカメラでトランプやらUNOやらオセロなんかを買って帰る。明日は妻のお兄さん一家が遊びに来るので、元気真っ盛りの甥っ子2人と遊ぶためのツールを調達したのである。

 夕食は、カレー。美味しいのだが、歯の麻酔が切れていないので咀嚼するのに苦労した。


9月13日(木) そろそろ保活なるものを少しずつ始めようか。

2018年09月13日 23時48分48秒 | 2018年

 7時起床。昨晩は珍しく2時前まで妻とお喋りしていたので、さすがにこの時間に起きるのはつらい。しかし、当然ながら娘にはそんなことは関係なく、さっそく寝室から脱出しようとしている。明るいほうを目指しているのか、おもちゃに向かっているのか、それとも。

 今日の離乳食は、卵(黄身)の2日目。昨日は1匙だったが、今日は10匙近く食べさせた。妻は、こういうところは結構大胆だ。結果、今日のところもアレルギー反応は見られなかった。すると妻は、「明日から白身いってみようか」と言うので、さすがにそれは早すぎるように思えたので引き留めた。

 11時過ぎにお出掛け。妻は娘を連れてみなとみらいへ買い物に行くついでに、中区役所で保育園リストとマップをもらう。私は神奈川区役所と西区役所で、同じく保育園リストとマップをもらうことにした。私たちが住んでいるのは横浜市港北区で、当然ながら家から近い保育園に預けられれば理想なのだが、港北区は結構な激戦区なので、近隣の区の保育園も選択肢に入れなければならない。具体的には、家から私の職場までの道のりにある保育所を候補に入れる。そうなると、住んでいる港北区に加えて、神奈川区、西区、中区が候補に挙がるのだ。

 横浜線で東神奈川へ出て、まずは神奈川区役所へ伺い、保育園一覧とマップを頂く。

 京急線の神奈川駅まで国道1号線を歩く。今日ぐらい涼しいと、歩くのも楽しい。

 京急線に乗り、戸部駅へ。

 戸部駅から西区役所までは歩いて5分ほど。その途中で面白そうなお店(というか屋台)を見つけたので、帰りに寄ることにする。西区役所では少し時間が掛かったが、無事に保育園一覧を頂くことが出来た。この時期にもらいに来る人はほとんどいないのだろう、職員の方が探し回っていた。お手数をお掛けしてすいません。

 行きに見つけたお店「涼み屋」に寄る。住宅街の小さな路地にある駐車場に、小さなキッチンカーとベンチを置いて営業しているかき氷屋さんである。地面にすごろくが書いてあったり、「蚊を退治したら1匹につき10円引き」なんていうファンキーなルールがあったりする、面白いお店である。注文は、名物だという梅干のかき氷。てっきり甘い梅シロップがかかったものが出てくるのかと思いきや、甘さは控えめで、ちゃんと梅干のしょっぱさがした。これは美味しいし、新しい。店主さん曰く、甘いものが苦手という人に人気で、常連さんの多くがこれを注文するそうだ。私は甘いものも大好きだが、この梅干かき氷も大好きである。

 戸部から京急線で仲木戸へ出て、東神奈川から横浜線で菊名へ。駅近くにある洋食屋「サンロード」で昼食。菊名界隈では有名なお店だそうで、前から1度来てみたいと思っていた。時刻は13時半を回っていたが、店内は満席で相席になる。やっぱり人気なのだ。注文は、人気ナンバーワンだという「アミヤキステーキ」。ハラミ肉の端肉を網焼きしたステーキで、脂を適度に落せているからだろうか、肉感はきちんとあるのにあっさりと食べられた。また、シェフがとても明るい方で、注文を受けたり料理が出来上がると元気よく「ステーキできましたー♪」と声を上げていたのが印象的だった。また、客の出入りが多くなってフロアのおばさんがバタバタしだした時などは、「大変だけど落ち着いて頑張ろー♪」と声を掛けたりしていて、こちらまで朗らかな気持ちになった。このお店のファンが多いのも納得である。

 TSUTAYAに寄り、キテレツ大百科の主題歌集を借りる。最近、youtubeで娘と一緒にアニメソングをよく聞くのだが、キテレツ大百科の主題歌だった「すいみん不足」という曲に私がハマってしまった。CHICKSというバンドの曲で、最初は単純に曲のリズムが好きだったのだが、よくよく聞いていくと歌詞も面白く、奥が深いということに気付かされる。「空はこんなに青いのに、風はこんなにあたたかいのに、太陽はとっても明るいのに、どうしてこんなに眠いの。すいみん、すいみん、すいみん、すいみん、すいみん不足!」というのがサビの部分なのだが、最近は延々とこの部分をリピートして口ずさんでしまうほどだ。ちなみに、原曲は少し歌詞が違ってもう少し社会風刺っぽさがあるのだが、アニメ主題歌のほうは一部歌詞を変えているそうだ。

 15時過ぎに帰宅。30分ほど遅れて妻も帰ってきて、近隣区保育園情報が揃った。

 娘のお昼寝に合わせて私も床で寝てしまい、起きたら2回目の離乳食が終わったところだった。その後、娘をお風呂に入れてから夕食。今日はチキンステーキ。生協からの冷凍の鶏肉なのだが、冷凍だとはわからないくらい美味しい。


9月12日(水) 今さらながら、さくらももこさんの魅力を知る。

2018年09月12日 23時28分14秒 | 2018年

 7時、妻に起こされて起床。もっと早くから起きている妻から娘を受け取る。妻はここからしばし就寝。

 娘の朝は早い。6時に起きるのはまだいいほうで、下手をすると4時に起きてそのまま朝まで元気いっぱいという場合もある。起きてからは授乳があるので妻がお世話をしているが、体力的に厳しくなったところで私に交代する、というパターンである。

 居間に移動してすぐにおむつを替える。股間から酸っぱい匂いがしている。これはうんちのサインだ。食事が母乳だけだったころはご飯が炊けた時のような匂いだったが、本格的に離乳食を食べるようになってから今の匂いになった。

 おむつを捨てて戻ってくると、さっそく娘はベビーサークルの中でつかまり立ちをしていた。一瞬目を離した隙にこれだ。床にはクッション性を持たせてあるから倒れても大丈夫だろうが、心配は心配だ。

 今朝のお気に入りは、電話と絵本。私が電話を耳に当てて「もしもーし」と言うと笑い、娘の耳に当ててもう一度「もしもーし」と言うと更に笑う。

 午前中、離乳食で初めて卵(黄身)を娘に食べさせる。沸騰してから15分以上加熱した卵の黄身を、離乳食の最後に1匙だけ。とりあえず、今日のところはアレルギー反応はなかった。この調子で卵をクリアしてくれるといいのだが。

 昼過ぎ、娘を連れてホームセンターへ出掛ける。第三京浜の港北インターの近くにあるお店なので、新横浜の駅からバスに乗って15分ほど掛かる。しかし、行ったはいいものの、お目当てのものは置いていなかった。エアコン掃除のスプレーが欲しかったのだが。仕方がないのでとんぼ返りし、別の場所へ買い物に出ていた妻と新横浜駅で合流して娘を預け、1人で遅めのランチへ。

 駅近くのレストラン街にあるチェーンの某お好み焼き屋さんへ入る。15時過ぎということもあって、客は私しかいなかった。メニューを見ると、値段が高い。普通のお好み焼きやモダン焼きが1500円とかする。そうか、高級店なのか。店員さんの態度も横柄だ。それも、びっくりするくらい。笑顔なんてもってのほかだ。そうか、昔の帝国ホテル的な接客か(知らんけど)。これはきっと上質なお好み焼きが食べられることだろう。

 出てきたお好み焼きは、逆に笑っちゃうほど美味しくなかった。生地がぱさぱさなのだ。お好み焼きをまずく作るって、逆に難しいだろうに。新横浜は出張族や観光客が多く、特に駅近くの店舗は一見さん相手で商売が成り立つから、こういうお店が淘汰されない、という話を聞いたことがある。でも、このお好み焼き屋はチェーン店だから、他の場所でも同じような料理を出しているのではないだろうか。そして、それが成り立っているということは、案外こういう味を好む人がいて、何ならそれが多数派で私のような不味いと感じる人間が少数派なのではないか、私の舌が馬鹿なんじゃないか、というようなどうでもいいことを考えながら坂を上り、家に帰った。

 夕食は、妻が鶏のささみ肉と梅、しそ、チーズを使った春巻きを作ってくれた。ちなみに、育休で私が休むようになってからも、料理はほぼ100%妻が作っている。離乳食もそう。私はただ出来上がったものをありがたく頂き、離乳食を娘の口へ運ぶだけだ。以前は食後の洗い物くらいはやっていたが、それも1ヶ月ほど前に食洗機が導入されてからはほとんど必要なくなった。一応言い訳をさせてもらうと、妻が料理に求めるクオリティに、私がついていけないのだ。ご飯と肉野菜炒めがあれば満足という私では、我が家のシェフは務まらない。一方で、毎日の洗濯と掃除に関しては立場が逆で、私のほうが神経質なので、こちらはほぼ100%私が担当している。良いバランスと言いたいところだが、深夜の授乳とかもあるし、子育てへの関与も妻のほうが強い。総合的に、どう考えても妻の負担のほうが大きいと思う。いつもありがとうございます。

 駅で娘を妻に預けた際に駅ビルの本屋でさくらももこさんのエッセイ集『もものかんづめ』と『あのころ』を購入し、さっそく「もものかんづめ」を読んでみた。時にクスッとさせられ、時に隣にいる娘がビクッとするほど腹を抱えて笑い、時にホロッと感動させられ、時に「あー」と妙に納得したり感心させられるエッセイだった。良い意味で、さくらももこという人への印象が変わった。結構とんがった人である。自分に対するありもしないゴシップを書いた週刊誌をこき下ろすくだりなんかは気持ちの良いくらい悪意が込められていたりするし、実際のおじいさんが亡くなった時のエピソードなんかは小気味よくて遠慮なく笑える。しかも、書かれていることの背景には彼女の人生観や思想がしっかりとあって、それが時には垣間見え、時には明確に提示されるから、納得感も強い。こんなことなら、彼女が亡くなる前から著作を読んでおけば良かった。

 ここまで書いて気付いたのだが、今日の私の文章は明らかに『もものかんづめ』の影響を受けている。普段なら料理がまずかったお店のことをストレートに書くことはないのだが、あえて皮肉ってみたりして。今まで何となく、自分の回顧用のブログとはいえ一応ネット上に公開しているのだから、ネガティブな内容や明確な批判などは遠慮しようと思っていたのだが、よくよく考えてみればそれだと本来の私の性根の悪さが記録として残らない。特に影響力のない一般人なんだし、もう少し好き勝手書いてもいいんじゃないか、と思えてきた。となると、まずはNHKの朝の連続テレビ小説『半分、青い。』について書きたくなるのだが、それは機会があればまた、ということにしよう。とりあえず言いたいのは、せっかくこっちが育休で人生で初めてリアルタイムで朝ドラを見られる生活をしている時期に、なんでこんな駄作を放送してんのよ、『カーネーション』が良かったわ!ということである。一時期、夕方に再放送されていた『カーネーション』を見て、あまりのクオリティの差に驚かされたのだ。逆に、あの時期に『カーネーション』を見ていなければ、比較対象がなかったので「ああ、朝ドラってこんなくだらないもんなのか」ぐらいで済んだのだが、あれを見てしまったがために今回の作品がはずれなんだということを知ってしまった。


9月4日(火) 笠間旅行(2)

2018年09月12日 07時15分10秒 | 2018年

 6時起床。大浴場で汗を流す。さすがに昨晩よりは弱くなったが、まだ薔薇の良い香りがする。特に、白い薔薇の香りが強い。

 7時半から朝食。昨晩の夕食同様、一品一品が丁寧に作られているのがよくわかる。朝からこういうご飯が食べられるというのは嬉しい。

 朝食後、ロビーで珈琲を頂く。宿のご主人自らが汲んできた地元の湧水で淹れた珈琲だそうで、雑味がなくてすっきりとした美味しさである。そして、そのままご主人と雑談。ご主人は写真が趣味とのことで、子どもの写真の撮り方を熱心に教えて下さった。少しの工夫で大きく写り方が変わることがよくわかり、とても参考になった。また、お風呂や建物の各所に飾られている薔薇について、仕入れたてのものを見せて頂いた。地元の薔薇農家さんが栽培されていて、それらは通常東京の大田市場へ出荷されるのだが、その中の一部を分けて頂いているそうだ。普通に花屋さんで買うと、1輪で200~300円するらしい。この辺りには温泉がないから、お客さんを呼ぶ目玉のひとつとして薔薇風呂を考えたそうだ。確かに、あれだけ良い香りの薔薇風呂なら、温泉にも対抗できる。料理についても聞いてみたところ、食材へのこだわりや調理法の工夫はもちろんだが、何より「手抜きをしないこと」が重要だとおっしゃっていた。シンプルではあるが、とても深い言葉だと感じた。

 9時過ぎに宿をチェックアウト。部屋、お風呂、料理、ご主人をはじめスタッフの皆さんのおもてなしも含め、本当に良い旅館だった。次は、冬のあんこう鍋の時期に来たい。

 笠間のイオンで地酒やそぼろ納豆を買ってから、石岡にある大場観光ぶどう園へ伺う。明るくて優しいおじいちゃんおばあちゃんの経営するぶどう園で、毎年この時期になるとぶどうを買いに伺っている。今日は、妻の実家、私の実家、弟の家の3個所に巨峰とシャインマスカットを1房ずつ宅配するのと、私たちが食べる分をそれぞれ3房ずつ購入した。また、デラウエアも置いてあったものの、もう販売は終わりで残っているのは近所の保育園の給食用のものとのことだったのだが、「まあちょっとぐらいなら大丈夫かな」と2房分けてくださった。更に、ピオーネも1房サービスして頂いた。毎度毎度、ありがとうございます。

到着すると、まずは試食させて頂ける。

保育園に届けられるデラウエア。これを少し分けて頂いた。

最後に、看板犬にご挨拶。

 関東には直撃しない予報ではあるものの、台風の影響が不安だったので、早めに帰途につき、14時頃には帰宅。風は強いが、雨は降っていない。

 帰宅してすぐに、ぶどうを1粒1粒、房から切り離していく作業に入る。妻曰く、そうしたほうが水分が茎に奪われないので味が落ちないらしい。そして、今回は切り離した粒を私と妻の分で別々に容器に入れることにした。私のほうが食べるペースが早いので、しっかり分けておかないと私ばかりがどんどん食べてしまうのだ。しかし、分ける比率は2:1で私のほうが多くて良いとのこと。なんてこちらに有利な条件なんだ。妻の優しさに感謝。

 夕食は餃子。食後に、まずはサービスで頂いたデラウエアを頂く。めちゃくちゃ甘い。きちんと酸っぱさもあって、全体的に味が濃い。シャインマスカットも、期待通りみずみずしくて甘さも強い。しかし、一番は巨峰だった。巨峰ってこんなに甘かったっけ?と驚かされた。

 ちなみに、そぼろ納豆は翌朝に食べた。ちなみに「そぼろ納豆」とは、納豆に切干大根を混ぜて醤油などの調味料につけた、茨城の郷土料理である。濃い味の納豆の中に大根のコリコリ感があって、癖になる。なぜこんなに美味しいものが全国販売されていないのか、不思議でならない。


9月3日(月) 笠間旅行(1)

2018年09月11日 23時22分57秒 | 2018年

 6時起床。今日から1泊2日、家族3人で茨城へ旅行に行く。一番の目的は、雨引観音へのお礼参りである。昨年の10月8日に安産祈願をし、おかげで無事に娘が生まれたので、そのお礼をしに行くのだ。

 レンタカーを借り、7時半過ぎに出発。朝早く出たこともあって、首都高の都心部分で若干の渋滞に巻き込まれたが、比較的スムーズに車を走らせることが出来た。途中、常磐自動車道の守谷SAで休憩し、おむつ交換と授乳。綺麗なベビーコーナー(おむつ交換台や授乳スペース、給湯器などが設置されている)があって、ありがたかった。

 10時過ぎに雨引観音(楽法寺)へ到着。本堂(観音堂)へお参りをして、無事に娘が生まれたことをご報告。また、娘の今後の健康と幸せもお願いした。その後、お守りをお返ししようと思ったのだが、お寺の方の対応が結構あっけなく、「あーはいはい」と片手で受け取って近くの台にポンと置いたまま放置されてしまったので、結局こっそり取り返して持ち帰った。文句を言える立場ではないのだが、何か釈然としない。

 

 笠間へ移動し、和食料理「鍛冶屋」で昼食。妻は日替わりランチで鱧のあんかけ、私は海鮮ばらちらし寿司を注文。普段、メニューにあってもばらちらしを食べることはほとんどない。具が細かすぎて、何が何の味かわからないからだ。しかし、ここのばらちらしはその複合的な味や食感がおいしく感じられる。素材なのか、切り方なのか、バランスなのか。もはや、あまり好きではないきゅうりのシャキシャキ感までなくてはならないものに思えるから不思議だ。

 笠間稲荷神社へ参拝する。「日本三大稲荷」に数えられるほど有名な稲荷神社で、日によっては結構な人で賑わうのだが、平日の今日はほとんど人がいなかった。参道のお店が寂しそうに見えたが、他にお客さんがいない状態でお店に入るのは少し勇気がいる。

参道では店員さんが軒先で客引きをしているのだが、ほとんど人が歩いていないので、こちらも少し歩きづらい。

そんな参道の中にある酒蔵・笹目宗兵衛商店。笠間稲荷神社の御神酒「二波山松緑」を醸造しているそうだ。中の見学も出来るし、レストランも併設されている。

 笠間駅前のケーキ屋「グリュイエール」で、モンブランを食べる。私は、ここのモンブランより美味しいモンブランを食べたことがない。更にいえば、ある年のクリスマスに作られていたモンブランのデコレーションケーキはもう一段素晴らしいものだった。機会があれば、もう一度食べてみたいものだ。いずれにしても、笠間に来たらここのモンブランを食べないわけにはいかない。

飲み物はちょっと冒険して、ドラゴンフルーツソーダ。ベースはピーチソーダなので、見た目は全く違うが妻のピーチティーと味が近い。

 今日の宿泊先、「割烹旅館城山」に到着。かつて料亭だった建物を旅館として利用している宿で、ひとつひとつの部屋が異なる趣きを持っているらしく、せっかく笠間で泊まるならここがいいと思っていた。

 それぞれの部屋には外廊下を通る。私たちの部屋は、その一番奥にある離れの部屋である。ここなら娘が泣いても気にしなくても済むと思い、この部屋を予約した。しかし、なんと今日は宿泊客は私たちだけとのこと。平日だし、明日は台風の予報が出ているし、確かにこのタイミングで旅行に行く人は少ないか。

 廊下の雰囲気も良かったが、部屋の中も趣向が凝らされていた。しかも、広い。さっそく、娘は部屋中を動き回っている。また、部屋には近くで汲んできた湧水が置かれていて、これが透き通るようなすっきりとした美味しさだった。

 宿泊客は私たちだけなので、大浴場も貸切。温泉ではないが、地元・笠間の農家さんが生産しているという薔薇の花が浮かんだ薔薇風呂になっていて、香りがとても良い。お風呂だけでなく、この宿では至る所に薔薇を中心とした生花が飾られていて、良い香りを漂わせている。

 夕食は専用の個室で。さすがは割烹旅館、部屋の雰囲気が素晴らしく、政治家にでもになったような気分だ。

 お料理は期待以上だった。地元の食材、旬の食材にひと工夫を加えることで、見た目も味も楽しめる料理になっていた。中でも、炊きもの(特にしめじ)と揚げ物(シャインマスカットと秋刀魚の紫蘇揚げ)が特に印象に残った。最後に出てきた栗ごはんも絶品だ。また、こういうところでは当たり前なのかもしれないが、全て作りたてが出て来るの、温かいものは温かい状態で出て来た。基本といえば基本だが、大切なことだ。また、笠間の割烹だけあって、器へのこだわりも感じられた。割烹旅館、おそるべし。

 部屋に戻って娘を寝かしつけた後、もう1度入浴をしてから、「グリュイエール」で買ってきた五穀ロールと五穀クロワッサンを食べる。これはちょっと大人向けの味だ(あまり甘くない)。妻は大好きらしい。