ステージの前が立ち見になっているコンサートに行くと
人と人の隙間を通り抜け
前の方に移動して楽しむ私と
身体が大きい事もあるけれど
性格上人の中にズカズカ入って行くのが
苦手なバッキーと、、、
時には離れてコンサートを鑑賞する事もある。

バッキーはそんな私の行動に慣れているので
私を心配する事もないけれど
ジェイク君は私が迷子にでもなるのでは、、、と
心配してくれたのか
バッキーを連れ私のすぐ後ろをついて来た。

私を先頭に その斜め後ろ側にジェイク君
彼の後ろにバッキーが立っての鑑賞

人が押し合うステージ前で
バンドが出て来るのを待つ事30分
ガヤガヤワイワイ
ステージ前に集まる人達には個性的な人が多く
そんな人たちに目をやっていたら
その中何人かの人達が
大麻を回し吸っている。

そういう場に遭遇する事が
随分長い間なかった事もあり
一瞬映画の世界
熱気の中でバンドの演奏が始まり
音の中で人々が繋がり一つになる。
最後に演奏された曲は ”Hook"

事は全て上手く運んだのに
帰りの車の中でトラブル発生
翌日仕事があるジェイク君は
出来るだけ早く帰宅したかったのに
途中道を間違える
”俺は早く帰りつきたいんやぁーー” とか何とか
突然ジェイク君が怒鳴り声を出す。

始めて聞いたジェイク君の怒鳴り声に
私の時間が一瞬止まる
それに対して今度はバッキーが怒鳴り始める。
”コンサートに来たかったのはお前だ
俺は来たくもなかった。
いつもお前に振り回されてばかりで嫌気がさす。”

言い過ぎに感じたその言葉に
言われた側と言った側の気持ちが私の中で交差し
かけ言葉を探していると
すぐに冷静になったジェイク君を感じる。
バッキーの怒鳴り声を黙って聞いている彼を見て
今は何も言わないのが一番だ と私も思い
怒りを持ったままのバッキーの後ろで静かにしていた。
そう言えばコンサートに行く道
会社に対しての怒りを
ぶちまけていたバッキーでもあった。
心が疲れている彼を感じる。
