”私を招待してくださってありがとうございます。、、ってな
ジュリちゃんが俺に言うんや、、。” と
バッキーが感心するように私に話す。
パーティーに招待した訳でもなく
けいちゃんと一緒に 夕飯作りをするのを誘っただけなのに
ジュリちゃんはそんな言葉で
私たちに感謝を現してくれた。
調理中の会話でもジュリちゃんの言葉使いがしっかりしていたので
きっと年上の兄弟姉妹の中で育っているんだろう と思い
”ジュリちゃんにはお姉ちゃんやお兄ちゃんがいるの?” と訊くと
”はい 12歳になる兄がいます
兄と私は養子に貰われたんです。” と
はきはきとジュリちゃんが言う。
(養子、、、?)
意外な言葉に呆然とそこに立ちすくんだ、、、。
私がジュリちゃんを始めて知ったのは
3年前にけいちゃんがとっていたダンスクラスだった。
ダンスの好きなけいちゃんに、、と通わせたこのダンスクラスには
ふざけた生徒たちが多く
まるでデイケアーのような雰囲気でもあった、、。
その中で1テンポ遅れダンスをするけれど
真面目に取り組んでいたのが
このジュリちゃんだった
ジュリちゃんとはその後バレーボールや
バスケットボールのチームでも一緒になった。
ジュリちゃんのお母さんは長身で見るからにアスリート。
ガールズのバレーボールのコーチもされ
バスケではチームのスコアーを付け
ニックママコーチをヘルプしてくださっていた。
ぽっちゃりしたジュリちゃんは最初
あの1テンポ遅れたダンスをするようにバスケをプレイしていたのが
みるみるうちに上達し
それと共にぽっちゃりしていた彼女の体形が
スリムにもなって来た、、、。
”あの子はこれからお母さんのように背もぐんと伸びて
素晴らしいアスリートになって行くんでしょうね。” と
将来けいちゃんと一緒にバスケのチームで活躍するジュリちゃんを想像し
そんな事をバッキーに話した事があった。
そのせいかなぁーー
養子縁組が定着したアメリカで
”私は養子に貰われたんです。” と言う言葉は
よく耳にするのに
今回ジュリちゃんからそれを聞き呆然となったのは、、、、。
9人の兄弟姉妹がいると言うジュリちゃん、、、
皆 養子に貰われた子供たちなんだろうか
一対どんな事情があるんだろう と
そんな疑問も出てはきたけれど
明るくて しっかりしてて
とっても素敵なジュリちゃんを前に
そんな事など何の意味も持たなくなった。
ジュリちゃんと接していると
たとえ血が繋がってなくとも
そこに素晴らしい家族が感じられ
たまらなく心に眩しく映ったことだ。


