レコードコレクターズ3月号の特集は「アトランティック・レコード」である。今年で設立60周年を迎えること、創設者の一人であるアーメット・アーティガンが去年暮れに亡くなったこと、この2つをきっかけに特集が組まれたと思われるが、その特集記事の目玉は「アトランティック・レコードの名盤200選」だ。設立以来60年に渡って、アトランティックから発売された膨大なアルバムの中から、200枚の名盤を選定しよう、という企画自体無謀だと思うし(笑)、アトランティックが販売していたものだけでなく、参加のレコード会社が販売していたものや、アトランティックがアメリカ国内で配給していたものまで含んだ中からのセレクトであり、はっきり言ってしまうと、見る前からどんなのが200枚に選ばれているのか、だいたい分かってしまう人も少なくないだろう(笑) ま、こういう企画が目立つ近頃のレココレではあるが、さすがに全米屈指の老舗であるアトランティックだけあり、ジャズ、R&Bからロックに至るまで、バラエティに富んだ作品群には素直に感心する。確かに、見てるだけでも楽しいです(笑)
さて、前振りが長くなった(笑) アトランティックといえば、思い出すのが、今から20年前に開催された「40周年記念コンサート」である。再結成レッド・ツェッペリンの出演などで話題になったこのイベント、トリを飾ったバンドは何か、覚えてますね? そう、フォリナーである。今では信じられないが(爆)、当時のフォリナーは、あのアトランティック・レコードの看板でありドル箱であったのだ。最後の最後で、ステージに出演者が勢揃いして、「アイ・ウォナ・ノウ」を合唱した光景は、1985年のライブ・エイドのラストで、全員が「ウィー・アー・ザ・ワールド」を大合唱したシーンと並ぶ80’s名場面のひとつとして、(一部のファンの間では)今なお語り継がれている(らしい)。
そのように、アトランティック・レコードの中ても重要なポジションを占めていたフォリナーのアルバムが、前述の「名盤200選」に選ばれていない訳がない、と思ったら、ありましたよやっぱり(笑) 1stの『Foreigner/栄光の旅立ち』が、200選に入っていた。赤岩和美氏による短い解説入りである(●原●太でなくてよかった)。ま、結成から契約までのいきさつをざっと述べてるだけで、内容については最後に“AOR的ハード・ロックを代表するバンドでもあった”との一行だけ(笑) ま、他のアルバムについても似たようなものなので、仕方ない所だけどね。
そして、そのレココレ3月号、ひっくり返して裏からめくると、そこにフォリナーの広告がある。珍しい(爆) どういう広告かというと、フォリナーのアトランティック時代のアルバム(LP)が、紙ジャケで再発されるらしい。1977年の1stから1987年の『インサイド・インフォメーション』までの6枚とベスト盤『Records/ベスト・オブ・フォリナー』の計7枚。1stから1981年の『4』までは、4~5年前に出たリマスターを使用、ボーナストラックも付く。完全限定生産だそうなので、早めに予約お願いします(笑) 詳細はこちらへ。
このリマスター盤、僕は輸入盤で買ったので、今回は買うつもりはないけど(紙ジャケだし)、以前のCDより音はいいし、何よりボーナストラック入りというのが、ファン心理をくすぐるものがあるので(笑)、まとめて購入する人も多かろう。で、そのボーナストラックだけど、はっきり言うと『ダブル・ビジョン』『4』のボーナスは大した事はない(笑) 前者は既発のライブテイクが2曲、後者はミック・ジョーンズとルー・グラムの二人によるアコースティック・ライブが2曲(90年代の録音)、やや手抜きという気がする(爆) けど、1stのボーナスは凄いよ。なんとデモテイクが4曲、うち一曲は本編にも収録されなかった未発表曲だ。で、このデモがなかなか良いのである。アレンジはそんなに変わってないけど、雰囲気が全然違う。全く違う曲のようにも聴こえるのだ。デモのままにしておくのは、実に勿体ない。このデモテイクの為に買っても絶対損はしない事を保証します。それと、『ヘッド・ゲームス』のボーナストラックは、いわゆるアウトテイクで、当時のメンバー、イアン・マクドナルドが保管していたものらしい。本編の雰囲気とは全く違うタイプだけど、なかなか良い曲ではある。ファンならば、是非聴いてみたい所だろう。
これらの発売日は2月28日、来日公演を目前に控え、いやでも盛り上がるタイミングだ。その、21世紀フォリナーの来日公演は3月12日及び13日、場所は新宿厚生年金会館。チケットは、おそらくまだ間に合うと思う(笑)ので、こちらをチェックして下さい。今回は、東京公演しかないのが残念だが、全国のフォリナー・ファンよ、新宿に集結して盛り上がろうではないか(爆)
という訳で、デビューから今年で30周年を迎えるフォリナー、まだまだ頑張ってるのだ。う~ん、30年かぁ、もうそんなに経つのか。あの頃、僕は中学3年だったかな。フォリナーのデビューは、その年の春くらいだったと思うが、夏ごろには「衝撃のファースト・タイム」がアメリカでヒットしていて、聴いた事はないけど、名前だけは知っていた。初めて聴いたのは、その次のシングル「冷たいお前」だったなぁ。それ以来僕にとって、フォリナーは気になる存在となり、翌1978年の初来日コンサートを見るに及んでファンになってしまったのは、あちこちで何度も言ってる通り(笑) そうか、あれから30年か...(この先言葉にならない)