もう一杯、ウィスキーを飲もう。
と、続く(笑)
以前ブログネタにしたが、僕が洋楽に興味を持ち始めた中学一年の頃、ロックというのはガキのものではなく、オトナの為の音楽であった。つーか、そういう印象を持っていた。故に、ロックを聴くという行為は、オトナへの階段を昇ることであり、憧れはあるものの、近寄り難いものでもあった。
そんな頃、当時から購読していたFMfanの読者欄に、とある投稿が載った。書いたのは、当時20代半ばと思われる男性で、その人には周囲がロックから離れてしまった中で、唯一ロックを聴き続けている友人がおり、その友人は“利きギター”が得意なのだそうな。で、その投稿の主は、週末になると友人宅を訪れ、酒を酌み交わしながらロックのレコードをかける、という生活をしている。ま、当時の僕からすると、「めっちゃオトナやん」て感じかな(笑)
その人は、自分の投稿の中で、この年になってもロックを聴ける歓び、ロックを語り合える友人がいる歓びを綴り、最後をこう締めていた。
次はローリング・ストーンズを聴かせてくれ。もう一杯、ウィスキーを飲もう。
当時の僕には、何も分からない。「ロック」「ローリング・ストーンズ」「ウィスキー」といった単語に、オトナの世界を感じていただけだ。
あれから30年以上(!)過ぎた今、この投稿を時折思い出す。ここでは、ローリング・ストーンズを聴かせてくれ、と言ってるだけだけど、実際には、その時何をかけたのだろう? その時点の最新アルバム? 投稿を見たのは1975年だから、最新作というと『イッツ・オンリー・ロックンロール』になるのか? それとも、その頃出たばかりの編集盤『メタモーフォセス』? それとも、『メイン・ストリートのならず者』『スティッキー・フィンガーズ』『レット・イット・ブリード』といった、既に評価が固まっていた(と思われる)旧作だろうか?
ウィスキーって、何だろう? バーボンなら『スティッキー・フィンガーズ』が似合いそうだけど。つーか、スコッチだと何故かストーンズのイメージじゃないし(笑) と、オトナを通り越してオッサンとなってしまった今、あれこれ思うのである。
今の自分は、本当にロックが似合う“オトナ”なんだろうか....とにかく、“オトナ”の雰囲気が凝縮されていて、ミョーに憧れた一言なのだった。いまでも、その印象は強烈だ。
次はローリング・ストーンズを聴かせてくれ。もう一杯、ウィスキーを飲もう。