いきなりだが、決してマイナーな存在ではないのに、アルバムが入手困難というアーティストは内外問わず多い。超メジャーではないが、売れていた時期もあったので、ベスト盤なら下手すりゃ数種類出てたりするのだが、オリジナル・アルバムはまず見かけない、というアーティスト(バンド)たち。超メジャー或いは逆にアングラな存在の方が需要が多いのか、そっち方面のアーティストのアルバムはよく見かけるし、5~6年毎に再発されたりもしている。が、そこそこ有名、という程度だと、たまに名盤復活キャンペーンみたいなのに乗じて再発される事もあるが、ま、普段はまず見かける事はない。リマスター盤とかアニバーサリー・エディションという形での再発もほとんどない。タワーやHMVとかのネット通販で探すと、見つかるのだが、注文不可になってたりする。いつのまにか、洋楽(ロック)も歴史が長くなり、作品の数も膨大であろうから、それら全てを商品化するのは不可能なのだろうというのは想像出来るが、もうちょっと何とかならないのか、とオヤジは思うのである(笑)
で、リトル・リバー・バンドである。オーストラリアが誇る国民的バンドであるリトル・リバー・バンドのアルバムも、大半が入手困難だ。ベスト盤なら入手可能だが、オリジナル・アルバム特に70年代から80年代にかけて、つまりヒット連発で全盛期だった頃のアルバムは、まず手に入れるのは難しい。2イン1とかの形態では見かける事もあるが、オリジナルの形ではない。何故なのか。隠れた名盤とか入手困難盤限定復刻、といった企画で再発されたのは過去にもあるが、当然話題にもならないし、レコード会社もキャンペーン張ったりとかして宣伝してる訳でもないので、こっちが知らないうちに予定枚数が終了してたりする。正に、見かけたら買っておけ状態。そんな状況が何十年も続いている訳だが、最近ようやく一枚リトル・リバー・バンドのアルバムを手に入れた。なんたる幸運。ユニバーサルの『続・ロック黄金時代の隠れた名盤 1976-1985編』のラインナップに入れて貰えたおかげです(笑)
First Under The Wire/Little River Band
という訳で、改めて紹介すると、リトル・リバー・バンドが1979年に発表した通算5作目。原題と邦題はほとんど関係ないが、おそらくイーグルスの『ロング・ラン』にあやかったのではないかと(笑) どっちが先に出たか、なんてのは今となっては覚えてないし、どうでもよろしい(笑) このアルバムから「ロンサム・ルーザー」と「クール・チェンジ」の2曲の全米TOP10ヒットが生まれ、アルバム自体もアルバム・チャートで最高10位を記録した。正に、リトル・リバー・バンドの代表作と言っていい。
思い返せば、この頃のリトル・リバー・バンドは、ほんと絶好調で、前年の1978年に「追憶の甘い日々」と「レイディ」の2曲を連続で全米TOP10に送り込んで一躍人気バンドとなっていた。特に「追憶の甘い日々」なんて、あのフランク・シナトラが「70年代最高の曲」と絶賛したくらいの大名曲で、僕も実は「追憶の甘い日々」にノックアウトされてリトル・リバー・バンドに注目したのだが、トドメを刺されたのは次の「レイディ」だった。LP買えないから^^;、ドーナツ盤を買ったのだが、これがなんと「追憶の甘い日々」と「レイディ」の両A面シングルで、めちゃめちゃお得でコスパ最強、毎日のように聴いてたな(笑) 高校1年~2年頃だった(爆)
その勢いに乗って発表されたのが『栄光のロング・ラン』であり、前述したようにベストセラーとなって、リトル・リバー・バンドはスターダムに駆け上がった、と言いたいところだが、売れてる割には地味な感じはあったかな。スターっぽくないというか。『栄光のロング・ラン』の後、ライブ盤を挟んで1981年に出した『光ある時を』も、TOP10ヒットを2曲出してて、当時はアメリカでも確実に人気はあったはずだが^^; 日本では、知る人ぞ知るという感じだったな。ただ、そこそこFMでもかかってたと思う。
ま、とにかく、70年代から80年代にかけての時期、リトル・リバー・バンドは名曲を連発し、ヒットチャートでも成功を収めた。その後、メンバー・チェンジ等もあり、アメリカでは80年代後半からヒットが出なくなったけど、本国オーストラリアでは高い人気を維持し続けて、現在でも国民的バンドとして活躍しているそうな。ただ、全盛期のメンバーはほとんど残ってないみたいだけど^^; アルバムも、90年代以降はすっかり寡作になってしまったが、新作は発表している。
で、ようやく『栄光のロング・ラン』の話になるのだが(笑)、全盛期の頃の作品であるから、素晴らしい内容であるのは当たり前、シングル・ヒットした2曲以外にも、良い曲が多い。ロックと言うには物足りないが、AORと呼ぶにはいなたい、そんな正にソフト路線のリトル・リバー・バンドの世界を堪能出来ます。くどいうようだが、とにかく曲が良い。何度も言ってるけど^^;、ソフト路線または中道路線であるが、よくよく聴いてると、ここまで中道を貫き通したバンドも稀なような気がする。当時もあまりいなかったような。今の耳で聞くと意外と個性的なのかも。個人的には、シングル曲以外だと、「魔力の女」とか「バイ・マイ・サイド」とかお薦め。
リトル・リバー・バンドの旧作、特に70年代の作品をもっと再発して欲しいです。よろしくお願いします(誰に言ってるのか、ってやっぱユニバーサルの重役しかないよね。笑)
他には、こんなのも。
プリンスが生前に完成させていたアルバムが、今年になって陽の目を見た、と言っていいのか。2010年に録音されていたらしい。こういう場合、亡くなった後に音源とか発見されて、発売するにしても、アルバム・タイトルとかジャケット・デザインとか曲順とかミックスとかアートワークとか、どのようにして決定してるのだろう? プリンスのことだから、そういうのはきちんと指示書とか残してるのかな?^^:
ま、実に多作な人だったから、死後も続々と未発表音源が出てくるのでは、と思ってたけど、本作とか、何故2010年の時点で発表しなかったのだろう? 色々と謎の多い人だ。
僕としては、『1999』とか『サイン・オブ・ザ・タイムス』といった80年代の名作をリマスターで聴いて、改めて凄い人なんだなぁ、なんて認識を新たにしてるうちに、21世紀の作品も聴いてみたいな、なんて思うようになり、この『Welcome 2 America』を買ってみた訳だが、やや違和感はある。悪いというのではなく、さすがに昔とは音や声が違うというあたりかな。昔は必ずと言っていいほど入ってた独特の打楽器(?)の音とか、そういう、ブリンス印みたいなのが聴かれなくて、そこにかすかに違和感があっただけで、内容としてはなかなか。正に、80年代とは違う21世紀のプリンス。作風も少し変わったかな。ただ、なんとなく、油分が抜けたように感じるのは僕だけ?(笑)
同郷のソウル・アサイラムの曲をカバーしてたりなんかして、明らかにプリンスの曲ではないのは分かるんだけど、違和感なく聴かせてしまうのはやっぱり凄い。やっぱりプリンスだけのことはある。良いアルバムと思います^^ ほんと惜しい人を亡くしたものだ、と今でも思う。
こないだ紹介したバッド・イングリッシュの2ndにして最終作。成功した1stの作風を踏襲しつつも、メロウ系の曲を減らし、ハードに迫る内容。実にロック・バンドらしくて良いアルバムだと思うんだけど、1stとは違い売れなかったようだ。リリースされたのは1991年、ニルバーナの『ネバー・マインド』がベスト・セラーになった年だっただけに、時代の要求には合わなかったのだろうが、CDライナーによると、本作が完成した時、既にバンドは崩壊していて、アルバム発表に伴うプロモーションもツアーも行われなかったらしい。それが原因とも言えるかな。ま、そういう事にしておきましょう、でないと浮かばれない(笑)
ま、とにかく、80年代の産業ロックの流れを汲む作風で、全体的にハードな中にも「Straight To Your Heart」に代表されるように、哀愁漂うメロディがたまらない。それと、1stの時にも感じたけど、とにかくジョン・ウェイトの歌いっぷりが素晴らしい。ほんと、実力派である。結局、バッド・イングリッシュはジョン・ウェイトのバンドだったのだ、と思ってしまうくらい。ニール・ショーンだって弾きまくってるようだけど、メインはジョン・ウェイトなのだ、やっぱり。ここで解散せず、ジョン・ウェイト体制のままメンバーを替えながら続けていれば、違う展開があったような気がする。現に、バッド・イングリッシュ解散後、ジョン・ウェイトはすっかり地味になってしまったので、実に残念だ。もっと高い評価を受けていい人だと思う。
長かった緊急事態宣言も解除され、ここ数日信じられないくらいコロナ新規感染者も減っている。以前のような日常が戻ってくるのも、そう遠くないかもしれない。個人的には、早くマスクしなくてもいい生活に戻りたいな(笑) でも、手指の消毒・席捲で手洗いの習慣は、コロナ禍ですっかり根付いたけど、これはずっと続けるべきと思う。コロナどころか風邪にも有効みたいだし(笑)
という訳で皆さん、元気出しましょう(笑)
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