Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

マルのじれんま 15

2020-04-22 17:04:28 | 日記
 ドクター・マルたちを店に残して、このエリアの大通りを歩いて来たシルでした。休憩コーナーのベンチの所まで来ると、彼女はそこに配置されていた楓の木の下のベンチに腰を下ろしました。

 そこでシルはふうとひとつ息を吐くと、今出て来たパーラーの内部、そこにいるマルとエンの2人の深層心理を観察する事にしました。丁度ベンチの傍らには噴水の水盤が置かれていました。シルはその水盤の水面に目を落とすと、彼ら2人の会話や彼等の内面に蟠っている心理を映し出してみます。

 シルが見た彼ら2人の故郷での様子、星での過去の経緯はこの様な感じでした。

 マルとエンの兄弟は、容姿は全く同じ者同士でしたが、性格はほぼ逆と言ってよいようです。物に拘らない自由で夢想家の兄のマルに対して、エンの方は周囲の目を気にするシャイな現実派でした。

 先程ドクター・マルに聞いた通り、彼等兄弟はお互いの区別の為に片方が常に外見を変えていましたが、何時も地味な容貌にしていて、彼等の星の星人然として周囲に溶け込んでいたのがエンだったようです。マルは殆ど生まれた時の儘、生来の姿で通していたようです。その為マルは常に明るい目立つ容貌をしていました。周囲から浮き立った彼は、星ではとても目立つ存在だったようです。

 また、彼等の星の星人が協調的で連帯的なのに対して、エンはともかくマルの方は独創的で個人主義的、妥協して物に取り組むことが無い為何でもよく出来たのでした。
 
 そんな2人の基礎学習時代、以前シルが読み取ったマルの記憶の中に出て来た女の子が登場してきます。彼女は何くれとなくマルに言いがかりをつけては付きまとっている様子です。途中で妥協して周囲に合わせてしまうエンとさえ、マルは成長する内に合わ無くなってしまったようです。元々星の住人とは合わなかった彼が、兄弟とも合わないのでは、彼も星にはい辛いかった物と見えます。

今日の思い出を振り返ってみる

2020-04-22 16:50:43 | 日記

親交 41

 故郷のエアポートに降り立つと、ミルの旧友2人が彼を出迎えてくれたので彼は驚いてしまいました。「如何したんだい。」何故帰郷してくるのが分かったのだろうとミルは思いました。......

 今日はまぁまぁのお天気かもしれません。今年はまだ地域の名所の桜を見に行っていなかったので、何時もの桜並木の道を少しドライブして車窓から眺めて来ました。
 もう葉桜ですが、八重桜はまだ花びらのピンクが残っていました。これで私は今年の花見終了です。
 以前旅行した先では、アーモンドの花が桜替わりと聞いた事が有ります。やはり木に咲くピンク色が人に同じ感じを与えるのだとか。桜よりはもう少し濃い目のピンク色だとか聞いた気がします。暖かくなって満開に木に咲く薄紅の花は可愛いですね。
 今年は暖冬で、酷く寒いと思う事無く過ごせた冬でしたが、巡り来た春はやはり嬉しい物です。新型コロナの事も忘れてはいません、車の中からだけの花見です

マルのじれんま 14

2020-04-20 11:14:38 | 日記
 「何を言い出すんだ。」

私はモテてなどいないと、ドクター・マルは怒った様子で弟の言葉を否定しました。

「モテていたのは、お前の方だろう。」

彼は返ってあれやこれやと弟の昔の話を口にすると、不満げに言い返しました。

 これには弟のエンも負けてはいませんでした。そこで、積年の恨みを晴らすかのように、それまで仲の良かった兄弟2人は言い争いを始めました。

 そんな2人の傍らで、呆気に取られたシルと、目を丸くしたピ―、マーの姉妹の3人は言葉も無く大人の男性2人の言い争いを見詰めていました。が、幼い姉妹が驚いている様子に気付いたシルは、まあまぁと、マル達兄弟の喧嘩の仲裁に入りました。

「お子さん達が見ていますよ。」

2人共落ち着いてくださいね。そう彼女に諭されて、感情的になっていた2人はお互いに口を閉じて、一旦はそれぞれの矛先を収めました。

 しかし、エンの方は内心収まり切らない物があったのでしょう、兄の先に口火を切りました。

「兄さん、この子達の母親は、元はと言えば兄さんの奥さんになる予定の人だったんだからね。」

それを僕に押し付けて、兄さんが星を出てしまう物だから、僕が後を引き受けることになったんだ。

「だから、この子達だって本を辿れば兄さんの子供になるんだ。」

と、彼は筋の通ったような訳の分らない事を言い出しました。

 なるほど、と、シルも事情を察すると、彼等兄弟の心を読む事も無く椅子からすいっと立ち上がりました。

「私はお邪魔になりそうなので。」

込み入ったお話になるようですから、失礼しますと、彼女はマン・ソウダネ一族から離れて退出して仕舞いました。






今日の思い出を振り返ってみる(おまけ)

2020-04-19 17:56:22 | 日記

親交 38

 図書館で、紫苑さんはにこやかに検索カードを繰ると、お目当ての本を探し出しました。彼は遅れてやって来た鷹夫にその本を手渡すと彼の恋の道標にするとよいよと推薦しました。かつて青年時代......

 今日のメールに38話もありました。順番が逆になりましたが、おまけにアップしておきます。1日に2話書く時もあったので、昨年のこの頃は思い出も2話分になるようです。

今日の思い出を振り返ってみる

2020-04-19 17:24:10 | 日記

親交 39

 「お前休暇を取っていないんだって。」休暇が溜まっているとドクター・マルが苦情を言って来たよ。早急に溜まった休暇を消化してリフレッシュして来てくれ。「休暇先は君の故郷の祖父......

 日中は晴れて良いお天気でした。昨日、一昨日と、この今日の「親交」39話迄、思い出を振り返ってみるメールからリンク迄アクセスできませんでした。話が飛びますが、今日の分を上げておきます。
 こちらの県では、昨日新型コロナ感染者に初めての死者が出て、段々と感染が拡大しているのが痛感できます。感染者が3桁に入るのも時間の問題かなという感じです。早く治療薬やワクチンが出来るとよいですね。切に願っています。