西武七里ガ浜住宅地の西側、広町の森に夕日が沈む頃。
20mの超ロング・リードを引きずって、変なあいつが森の下にある浄化センターの広場にやって来る。あっ!あれは、湘南ボーイじゃないか。
いつもだらしなく舌を出している。性格だから仕方がないが、本当にだらしない男なのだ。しかしなぜか「お座り!」だけは小さい頃から得意だ。どんなに遠くから命じられても、そこでお座りが出来る。
でもそれは、かーちゃんの命令に従わなければ、いつまで経ってもメロンちゃんに会えないということを、こんな彼でもわかっているからなのだ。茶髪サラサラ・ロング・ヘアーのモテモテ湘南ボーイもメロンちゃんの誘惑には勝てないらしい。
かーちゃんに「伏せ!」を命じられると、従順に伏せ。メロンちゃんに会えるなら何でもする。ただしだらしなく舌を出すクセは治らない。
かーちゃんに「お座り!」を命じられると、従順にお座り。メロンちゃんのためなら、お座りしたまま10分は耐えられる。ただしやっぱり舌はだらしなく出し続ける。おいしそうだ。塩タンでトラジで売り出そうか。
しかし君、デカくなったねぇ。昔はゲリピーでガリガリだったのに。いろいろ対処法を考えてくれた斉藤先生(七里ガ浜ペットクリニック)に「有難う」って言いなさい!
あっ! メロンちゃんがっ! メロンちゃんに飛び付く。下手なカメラマンのとーちゃんは、早過ぎる湘南ボーイの動きを捉えられない。
オッと! 反対側にメロンちゃんがっ! やはりとーちゃんは湘南ボーイを捉えられない。
ようやくとーちゃんが、湘南ボーイを遠くに捉えた。湘南ボーイは走り続ける。
湘南ボーイはデタラメに走るのが速い。長距離を走り続ける。メロンちゃんと共に駆けるのだ。途中で、近所でも評判の美人ワン軍団、アラマンダスちゃんやリオンちゃんも来たけれど、湘南ボーイはまったく彼女らに関心を示さない。もうメロンちゃん一筋なのだ。
怠惰な性格の湘南ボーイも、メロンちゃんのためならジャンプもする。
まだ走っている。気でも狂っているのか、やはり。
やっと湘南ボーイもお疲れなようだ。歩いてとーちゃんの近くに寄って来た。何かくわえている。
これがメロンちゃんだ!
直径、重さ、ゴムの厚み、「パフパフッ♪」と音が鳴るところ。すべてが湘南ボーイの好みを満たす・・・らしい。現時点で彼の最高の彼女はメロンちゃんなのだ。彼はこれがお気に入りだ。
(注)「メロンちゃん」は正式な商品名ではありません。我が家で勝手に付けた名前です。