今回の話は、以前このブログで記事にしたロンドンの高額なフラット(=日本風に言えばマンション)に投資するファンドを私もちょこっと買う、という話の続きに相当する。このファンドはチャネル諸島ジャージー島籍の会社型投信の形式をとっている。
「訳がわからん!」という方は、前のこちらの記事から2つのストーリーをどうぞ(↓)。
新年度はロンドンの優雅な地区に特化した不動産投資を少額からいかが(1) Land of Hope and Glory
新年度はロンドンの優雅な地区に特化した不動産投資を少額からいかが(2) で、どうする?
まずは住宅投資に関する精神論的なお話。
突き詰めて言えば、日本の住宅って土地面積に投資しているような感じで、建物への評価は低い。戸建ても、そしてマンションですら、建物の評価額は時間とともにかなりのスピードで安くなる。

【Source: Google】
翻って英国。彼の国の一戸建て住宅の広告の多くには、土地面積は書いていない。住宅の面積すら書いていないことが多い。ロンドン都心のハイクラスな地区にあるフラットへの投資は、大ざっぱに言えば「ロケーションと建物そのもの(中には骨董品のようなモノもある)に投資している」というのがイメージだ。物件にもよるだろうが、POST CODEで言うとNWとかSWなんて地区にあるシッカリした物件は世紀の変わり目を2回またいでまだ価格が上昇する。
また景観の公共性という概念が発達した国では景観を勝手に変えることがそう簡単には許されない。それは回りまわって、その景観の中の建物が長年の利用に耐えうる恒久的デザイン性と耐久性をもたざるを得ないことを意味する。そしてその価値が非常に長い期間にわたり保たれるということにもつながっている。そういう住宅に投資をしたいと私は思う。
一方「自分の土地だから分割しようが、どんな建物に建てかえようが勝手だ!」という狭量な個人的権利だけが守られその行為が繰り返し許される国、つまり日本のことだが、そんな国の住宅投資ってダメだ。結局日本人は長期的にみると損をしている。近視眼的な自分の権利は守られるかもしれないが、全体的な景観はズタズタとなり時代を追って劣化するばかりであるし、建物の時間的な価値の下がり方は世界最速水準である。そんな街づくりが海外から憧れの目で見られることもあるまい。
突然ですが、ブライアン・メイのギターに痺れてもらいましょう♪
God Save The Queen♪
場所も場所なら曲も曲で演奏者も演奏者。この組み合わせが楽しい。
ご存じない方のために、この状況の懐の深さを説明しておくと・・・これはバッキンガム宮殿の屋上だ。ブライアン・メイとは英国ロック・グループ「クイーン」のギタリスト。ロック・グループであるクイーンのブライアン・メイが本物のクイーンのご自宅の屋上で彼女を讃える曲を自分流のやり方で演奏しているわけだ。ブライアン・メイはギター弾くだけじゃなくって、天体物理学の博士号も保有している。
そんなブライアン・メイのギターがこの場所でギョォ~ン♪と泣くって、いいでしょ。
話を投資の話に戻す。
以前私はロンドンの不動産物件に投資するファンドを購入しようとして、そのファンドの運用会社に問い合わせたのだが、該当するファンドはクローズ(募集停止)してしまったことを知り、購入をあきらめたのだった。

【Source: Google】
ところがそのファンドの運用責任者が「久しぶりに現在の資産額の10%だけ追加で募集するが、あなたは投資しますか?」と私に尋ねてきてくれた。これはその追加募集のためのファンドの目論見書。

簡略版の目論見書でこの厚み。

これが現時点で投資されている物件の例。

とにかく長持ちな不動産物件。何があってもちゃんと権利が守られるであろうという外国人にも安心な法整備。海外からの投資をどんどん受け入れるカルチャー。アラブの王族もロシアの新興成金も、真っ先に買う不動産はいつもこの街のもの。
しかし、これ・・・。
今回私が払い込もうとしているのは、このファンドの最低投資金額である。それ未満では投資させてもらえないという金額なのに、それでもこの必要な箇所を全部読まなあかんのかい? Please 勘弁 me!

この申込書、私が全部書くんかい? Please あんた代わりにやってんか! ものすごい枚数だ。でも仕方ないですね。

おまけにスターリング・パウンドを用意せにゃならん。安くexchangeしないとね。最近は交換レートが日本国内の取扱機関によりまったく異なるから注意しないと。ひどいところでは今も1ポンドあたりTTSとTTBの差が8円ある。
TTSとTTBとは、口座内で円と外貨を当日受け渡しで交換するレートのことだ。前者が銀行にとって外貨の売り(円の買い)。後者は銀行にとって外貨の買い(円の売り)。外貨現金やトラベラーズ・チェック等になると交換レートは異なる。さらに銀行間取引や貿易決済になると話はまったく異なるが、それは置いておこう。

TTSとTTBが8円違うということは、ポンドを同日付で買って売るだけで、私達は1ポンドあたり8円損するということだ。
1ポンド=1,000円時代の大昔と変わっていないスプレッド(売買レート差)8円を、1ポンド=150円台の最近でも適用する銀行が多い。どういう理屈でそうなっているのだろう?? ちょっと信じられない。米ドルも同様だ。今もスプレッドが基本的に2円で、それはニクソン・ショックの頃から不変である。その間にドル相場はものすごい勢いで変化したが、この2円差は不変。おかしいだろ。またこのポンドとドルにおけるスプレッドの4倍の違いはなぜ? 流動性や金利水準の違いを考慮しても、このポンドとドルのスプレッドの違いに正当な理由は見出しにくい。おい銀行、説明してよ。
しかしながら最近は、個人向けでも為替相場をずいぶんお安く提供してくれる銀行が日本でも現われている。そうした銀行でお取引することにしましょう。で、私が円⇒ポンド交換をする頃になり、世界諸事情からグググッと円がポンドその他の外貨に対して安くなりはじめた。なんと、ついてないんだろう。しかし8月の米国雇用統計が発表になり、多少その勢いが逆転したところでとりあえずexchangeを実行して、ポンドをキープしておいた。
画像はBank of Englandの新総裁。カナダ人である。

【Financial Times】
何ページもの申込書を記入すると手が疲れる。
しかも昨今はマネーロンダリング関連が煩い。「自分がまともな者であり、決してこれが怪しいカネではありませんよ」と証言し、必要なモノを提出せねば、口座さえ開かせてもらえない。

Due Diligenceで調査。私が投資先を調査するのではなく、投資先が私の身元を調査するのである。

これもまた書面にいろいろ書きこまないといけない。
されにパスポートをコピーせねばらない。そして問題は!・・・そのコピーが真正なものであることを、誰かに証明してもらわねばならないことだ。その証明は隣家のおっちゃんが出来るわけでなく、しかるべき方にしかるべきお金を支払い依頼せねばならない。
そして私が書く私の住所に、私が本当に住んでいることが証明出来る書面も提出せねばならない。

【Guardian】
そしてこれら書面全部の写しを事前にこんな島(↑)、チャネル諸島ジャージー島まで送って審査がなされ、「オッケー!」となればそれから私が送金。その後オリジナルの書面を高い料金払ってクーリエでこの島まで送って受領されれば、投資の明細が送られてきて投資手続き終了だ。本当に購入出来るのだろうか? 申し込み順に処理され、予定金額一杯になればそれで終わり。購入出来なければそれはそれでご縁がなかったということだ。

この島のファンド管理会社は、ファンドのNet Asset Value(純資産価値=ファンドの基準価額)の計算をちゃんとやってくれるのだろうか?
続きは次回。
「訳がわからん!」という方は、前のこちらの記事から2つのストーリーをどうぞ(↓)。
新年度はロンドンの優雅な地区に特化した不動産投資を少額からいかが(1) Land of Hope and Glory
新年度はロンドンの優雅な地区に特化した不動産投資を少額からいかが(2) で、どうする?
まずは住宅投資に関する精神論的なお話。
突き詰めて言えば、日本の住宅って土地面積に投資しているような感じで、建物への評価は低い。戸建ても、そしてマンションですら、建物の評価額は時間とともにかなりのスピードで安くなる。

【Source: Google】
翻って英国。彼の国の一戸建て住宅の広告の多くには、土地面積は書いていない。住宅の面積すら書いていないことが多い。ロンドン都心のハイクラスな地区にあるフラットへの投資は、大ざっぱに言えば「ロケーションと建物そのもの(中には骨董品のようなモノもある)に投資している」というのがイメージだ。物件にもよるだろうが、POST CODEで言うとNWとかSWなんて地区にあるシッカリした物件は世紀の変わり目を2回またいでまだ価格が上昇する。
また景観の公共性という概念が発達した国では景観を勝手に変えることがそう簡単には許されない。それは回りまわって、その景観の中の建物が長年の利用に耐えうる恒久的デザイン性と耐久性をもたざるを得ないことを意味する。そしてその価値が非常に長い期間にわたり保たれるということにもつながっている。そういう住宅に投資をしたいと私は思う。
一方「自分の土地だから分割しようが、どんな建物に建てかえようが勝手だ!」という狭量な個人的権利だけが守られその行為が繰り返し許される国、つまり日本のことだが、そんな国の住宅投資ってダメだ。結局日本人は長期的にみると損をしている。近視眼的な自分の権利は守られるかもしれないが、全体的な景観はズタズタとなり時代を追って劣化するばかりであるし、建物の時間的な価値の下がり方は世界最速水準である。そんな街づくりが海外から憧れの目で見られることもあるまい。
突然ですが、ブライアン・メイのギターに痺れてもらいましょう♪
God Save The Queen♪
場所も場所なら曲も曲で演奏者も演奏者。この組み合わせが楽しい。
ご存じない方のために、この状況の懐の深さを説明しておくと・・・これはバッキンガム宮殿の屋上だ。ブライアン・メイとは英国ロック・グループ「クイーン」のギタリスト。ロック・グループであるクイーンのブライアン・メイが本物のクイーンのご自宅の屋上で彼女を讃える曲を自分流のやり方で演奏しているわけだ。ブライアン・メイはギター弾くだけじゃなくって、天体物理学の博士号も保有している。
そんなブライアン・メイのギターがこの場所でギョォ~ン♪と泣くって、いいでしょ。
話を投資の話に戻す。
以前私はロンドンの不動産物件に投資するファンドを購入しようとして、そのファンドの運用会社に問い合わせたのだが、該当するファンドはクローズ(募集停止)してしまったことを知り、購入をあきらめたのだった。

【Source: Google】
ところがそのファンドの運用責任者が「久しぶりに現在の資産額の10%だけ追加で募集するが、あなたは投資しますか?」と私に尋ねてきてくれた。これはその追加募集のためのファンドの目論見書。

簡略版の目論見書でこの厚み。

これが現時点で投資されている物件の例。

とにかく長持ちな不動産物件。何があってもちゃんと権利が守られるであろうという外国人にも安心な法整備。海外からの投資をどんどん受け入れるカルチャー。アラブの王族もロシアの新興成金も、真っ先に買う不動産はいつもこの街のもの。
しかし、これ・・・。
今回私が払い込もうとしているのは、このファンドの最低投資金額である。それ未満では投資させてもらえないという金額なのに、それでもこの必要な箇所を全部読まなあかんのかい? Please 勘弁 me!

この申込書、私が全部書くんかい? Please あんた代わりにやってんか! ものすごい枚数だ。でも仕方ないですね。

おまけにスターリング・パウンドを用意せにゃならん。安くexchangeしないとね。最近は交換レートが日本国内の取扱機関によりまったく異なるから注意しないと。ひどいところでは今も1ポンドあたりTTSとTTBの差が8円ある。
TTSとTTBとは、口座内で円と外貨を当日受け渡しで交換するレートのことだ。前者が銀行にとって外貨の売り(円の買い)。後者は銀行にとって外貨の買い(円の売り)。外貨現金やトラベラーズ・チェック等になると交換レートは異なる。さらに銀行間取引や貿易決済になると話はまったく異なるが、それは置いておこう。

TTSとTTBが8円違うということは、ポンドを同日付で買って売るだけで、私達は1ポンドあたり8円損するということだ。
1ポンド=1,000円時代の大昔と変わっていないスプレッド(売買レート差)8円を、1ポンド=150円台の最近でも適用する銀行が多い。どういう理屈でそうなっているのだろう?? ちょっと信じられない。米ドルも同様だ。今もスプレッドが基本的に2円で、それはニクソン・ショックの頃から不変である。その間にドル相場はものすごい勢いで変化したが、この2円差は不変。おかしいだろ。またこのポンドとドルにおけるスプレッドの4倍の違いはなぜ? 流動性や金利水準の違いを考慮しても、このポンドとドルのスプレッドの違いに正当な理由は見出しにくい。おい銀行、説明してよ。
しかしながら最近は、個人向けでも為替相場をずいぶんお安く提供してくれる銀行が日本でも現われている。そうした銀行でお取引することにしましょう。で、私が円⇒ポンド交換をする頃になり、世界諸事情からグググッと円がポンドその他の外貨に対して安くなりはじめた。なんと、ついてないんだろう。しかし8月の米国雇用統計が発表になり、多少その勢いが逆転したところでとりあえずexchangeを実行して、ポンドをキープしておいた。
画像はBank of Englandの新総裁。カナダ人である。

【Financial Times】
何ページもの申込書を記入すると手が疲れる。
しかも昨今はマネーロンダリング関連が煩い。「自分がまともな者であり、決してこれが怪しいカネではありませんよ」と証言し、必要なモノを提出せねば、口座さえ開かせてもらえない。

Due Diligenceで調査。私が投資先を調査するのではなく、投資先が私の身元を調査するのである。

これもまた書面にいろいろ書きこまないといけない。
されにパスポートをコピーせねばらない。そして問題は!・・・そのコピーが真正なものであることを、誰かに証明してもらわねばならないことだ。その証明は隣家のおっちゃんが出来るわけでなく、しかるべき方にしかるべきお金を支払い依頼せねばならない。
そして私が書く私の住所に、私が本当に住んでいることが証明出来る書面も提出せねばならない。

【Guardian】
そしてこれら書面全部の写しを事前にこんな島(↑)、チャネル諸島ジャージー島まで送って審査がなされ、「オッケー!」となればそれから私が送金。その後オリジナルの書面を高い料金払ってクーリエでこの島まで送って受領されれば、投資の明細が送られてきて投資手続き終了だ。本当に購入出来るのだろうか? 申し込み順に処理され、予定金額一杯になればそれで終わり。購入出来なければそれはそれでご縁がなかったということだ。

この島のファンド管理会社は、ファンドのNet Asset Value(純資産価値=ファンドの基準価額)の計算をちゃんとやってくれるのだろうか?
続きは次回。