気がつくと「♪びっくらこいた~、びっくらこいた~」と歌っている。困ったものだ。森三中の村上嬢が、サントリーの野菜ジュース「野菜カロリー計画」のCMで歌っている曲だ。どうにも印象が強く、我が家では連日誰かが口ずさんでいる。もちろん中国四川省の大地震には、びっくらこいてばかりもいられない。国土と人口の巨大さが、そのまま被災者、犠牲者の数に比例していて痛々しいばかりだ。
びっくらこいたといえば、今週の『週刊ポスト』のグラビア。いきなり往年のキャンディーズ(南海・・ではなく、ランちゃん、スーちゃんたちの本物のほう)に松本ちえこに大場久美子、そしてアグネス・ラムだもん。よく見れば、写真集が出たんだそうで、タイトルは『永久保存版写真集 平凡パンチ 甦れ、アイドルの時代』(マガジンハウス)。当時の彼女たちアイドルは元気だったけど、『平凡パンチ』自体も元気だったなあ。後に休刊するなんて思いもしなかったもんなあ。写真集は、青春の記念として、さっそく購入です。
特に60年代の『平凡パンチ』は硬軟取り混ぜた内容で走っていて、しかも右も左も登場する「ロータリー広場」(?)みたいな場所だった。70年に亡くなる三島由紀夫も、しょっちゅう特集されていたっけ。
そして、熱気と喧騒の70年代に、『平凡パンチ』などの編集者だったのが作家の西木正明さんだ。国内だけでなく海外をも飛び歩き、見て、聞いて、味わい、体感し、書きまくっていた。そんな西木さんが、30年を経た今、自らの中でようやく昇華しつつある“あの時代”を6つの短編に仕立て上げたのが『極楽谷に死す』(講談社)だ。
表題作はスペイン語で書かれた手紙が届くところから始まる。それは南米で貧しい人たちを支援する活動を続けていた友人の死を知らせるものだった。30年前の学生時代、<わたし>は友人をデモへと連れ出し、それが彼の人生を大きく変えてしまうことになった。それから10年後、極楽谷と呼ばれるチリの町で二人は再会。互いの過去と現在とが解け合っていく・・。
他の作品の多くも海外を舞台としている。トルコのボスポラス海峡、ハワイ・オアフ島、アフリカのザンジバルなど、いずれも海と共にある場所だ。彼らはなぜ日本にいないのか。いや、いられなくなったのか。それぞれが抱える過去は単に個人のものでなく、「時代」と深い関わりがある。ベトナム戦争、学生運動、浅間山荘事件といった現実を踏まえ、必死で生きた男や女たちの姿を、苦さも交えて描き出した短編集だ。
びっくらこいたといえば、今週の『週刊ポスト』のグラビア。いきなり往年のキャンディーズ(南海・・ではなく、ランちゃん、スーちゃんたちの本物のほう)に松本ちえこに大場久美子、そしてアグネス・ラムだもん。よく見れば、写真集が出たんだそうで、タイトルは『永久保存版写真集 平凡パンチ 甦れ、アイドルの時代』(マガジンハウス)。当時の彼女たちアイドルは元気だったけど、『平凡パンチ』自体も元気だったなあ。後に休刊するなんて思いもしなかったもんなあ。写真集は、青春の記念として、さっそく購入です。
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特に60年代の『平凡パンチ』は硬軟取り混ぜた内容で走っていて、しかも右も左も登場する「ロータリー広場」(?)みたいな場所だった。70年に亡くなる三島由紀夫も、しょっちゅう特集されていたっけ。
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そして、熱気と喧騒の70年代に、『平凡パンチ』などの編集者だったのが作家の西木正明さんだ。国内だけでなく海外をも飛び歩き、見て、聞いて、味わい、体感し、書きまくっていた。そんな西木さんが、30年を経た今、自らの中でようやく昇華しつつある“あの時代”を6つの短編に仕立て上げたのが『極楽谷に死す』(講談社)だ。
表題作はスペイン語で書かれた手紙が届くところから始まる。それは南米で貧しい人たちを支援する活動を続けていた友人の死を知らせるものだった。30年前の学生時代、<わたし>は友人をデモへと連れ出し、それが彼の人生を大きく変えてしまうことになった。それから10年後、極楽谷と呼ばれるチリの町で二人は再会。互いの過去と現在とが解け合っていく・・。
他の作品の多くも海外を舞台としている。トルコのボスポラス海峡、ハワイ・オアフ島、アフリカのザンジバルなど、いずれも海と共にある場所だ。彼らはなぜ日本にいないのか。いや、いられなくなったのか。それぞれが抱える過去は単に個人のものでなく、「時代」と深い関わりがある。ベトナム戦争、学生運動、浅間山荘事件といった現実を踏まえ、必死で生きた男や女たちの姿を、苦さも交えて描き出した短編集だ。
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