碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

ウイルスの流通は困るけど、愛の流通なら・・・

2008年06月18日 | 本・新聞・雑誌・活字
慶大SFC(湘南藤沢キャンパス)時代のゼミの教え子から本が届いた。現在はNHKにいる彼が、ディレクターとして参加していたNHKスペシャル「最強ウイルス」が単行本になったのだ。

送ってもらった『最強ウイルス~新型インフルエンザの恐怖』(NHK出版)を手にして思うのは、こうした本作りって、番組作りとはまた別の大変さを伴うということ。

でも、番組を見た人も、見てない人も、活字を通じて貴重な情報を再確認、もしくは入手できるわけで、出版の意義は大きい。

彼は国内取材を担当していたから、第5章「日本は大丈夫なのか?」を中心に書いているが、実は視聴者にとって、海外よりも日本に関する情報こそ一番気になる部分なのだ。

だから、「このままの状況では、感染して重症となっても医療の恩恵が受けられるかどうかは分からないのだ」という結びの一文は、日本社会に対する警告として相当怖い。

最強ウイルス―新型インフルエンザの恐怖 (NHKスペシャル)
NHK「最強ウイルス」プロジェクト
日本放送出版協会

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それと、もう1件。

ケータイやブロードバンドなど、次世代メディア向けにデジタルコンテンツを提供する、コンテンツ・プロバイダーで仕事をしている、同じくSFCでの教え子からは、映画の案内をもらった。

で、試写を見てきた。ケータイ小説が原作で、タイトルも同じ『愛流通センター』。昨年のホリプロスカウトキャラバンのグランプリ、足立梨花チャンの初主演だ。公開は7月の予定となっている。

失恋した女の子が、愛流通センターの”営業さん”の力を借りて、元カレのこころを取り戻すのですが・・・といったお話。高校生たちの恋愛心理と、初々しい演技が印象に残った。

フツーの女子高生をフツーに演じるって、結構難しい。出演者の中では、梨花チャンもいいけど、親友役の入来茉里チャンがこれから伸びると思う。

そして、エンドロールの「アシスタント・プロデューサー」のところで、ちゃんと懐かしい名前も発見した。

愛流通センター
唯沢 みず
ゴマブックス

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本の奥付や、映画のスタッフロールで、教え子たちの名前を見られるなど、大学教師としては実に嬉しい出来事で、こちらも「がんばろう」という励みにもなる。感謝だ。