碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

世の中には、いろんな「お仕事」があるものだ

2008年06月29日 | 本・新聞・雑誌・活字
これまでに、何度か転職をしている。同じジャンルの中で会社が変わるだけじゃなく、仕事の種類そのものを変えたこともある。とはいえ、自分なりの「理由」というか「範囲」はあったはずで、結果的には「思いもよらない仕事」にジャンプしたとはいえないかもしれない。

しかし、世の中には、いろんな仕事があるものだ。降旗学さんの『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)を読んでいて、つくずくそう思う。

副題は「誰もが知っている、でも誰も覗いたことのない38の仕事案内」。缶コーヒーブレンダー、AVモザイク職人、死に化粧師、流しのはんこ屋など、降旗さんのいう「仕事に選ばれた」異能のプロたちの、「技」と「哲学」が開陳されている。偶然や失職で得た仕事を「天職」とするのもまた才能なんだなあ。

世界は仕事で満ちている

降旗 学
日経BP社

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降旗さんが取材した38の仕事の中に「ダッチワイフメーカー」というのがある。先日読んだ、高月靖さんのノンフィクション『南極1号伝説』(バジリコ)では、1冊まるごとがソレだった。

この本では、ダッチワイフはいかに誕生し、いかに進化してきたか。誰もがその存在を知りながら実態を知らない「特殊用途愛玩人形」の過去と現在を探っている。都市伝説としての国家プロジェクト「南極1号」の真相から、ユーザーの夢と現実までを描いた不思議な力作。これはもう陰の文化史だ。

いやあ、ほんと、世の中、いろんな「お仕事」があるもんだよねえ。

南極1号伝説 ダッチワイフからラブドールまで-特殊用途愛玩人形の戦後史
高月 靖
バジリコ

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<減煙コーナー>
うーん、昨日は見事に失敗。6本は無理だった。2本オーバー。戻っちゃいけない。規定の分を吸い終わったのに、机の中にしまってあった「廃棄予定」に手を出したのだ。弱いぞ、私。というわけで、今日(29日)は再度6本に挑戦だ。トホホ。