碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

ちょっと回顧的になった日はフォークソングなのだ

2008年06月24日 | 本・新聞・雑誌・活字
週刊文春:編『フォークソング~されどわれらが日々』(文藝春秋)を入手したのは、明らかに中学校の同窓会に出たせいだろう。気分がちょっと回顧的になっているってことだ。単純な性格なので、すぐ影響される。

本の帯にいわく。<13組15人が語る「あの頃」と「現在」>。いるいる。懐かしい名前と、ほとんど歌詞を見ないで歌えてしまう曲の数々が並ぶ。

南こうせつ、りりイ(映画「さよなら、クロ」のお母さん役もよかった)、NSP(夕暮れになると、あのメロディが)、三上寛(ステージに立つだけでインパクト)、山崎ハコ(やまさき、なんだよね)、ビリー・バンバン、なぎら健壱(泣くほど笑えた「悲惨な戦い」)、高石ともや(やっぱ「受験生ブルース」でしょ)、カルメン・マキ(と聞けば寺山修司を思い出す)、シモンズ(「恋人もいないのに」懐かしいねえ)、西岡たかし(名曲「遠い世界に」)、友川かずき(すぐに曲名が出てこない)、小室等(風貌変わらず)。

この本の中で、ビリー・バンバンは「白いブランコ」が取り上げられている。しかし、私にとってのビリバンは「さよならをするために」がマイベスト。72年に日本テレビで放送されていたドラマ『三丁目四番地』のテーマ曲だったのだ。森光子が下宿屋のおかみさん。その子供に浅丘ルリ子と岡崎由紀(だったと思う)。そして下宿人に原田芳雄と石坂浩二がいた。

放送当時、私は高校3年生だったわけだが、なぜかこのドラマに「東京」というものを強く感じた。下宿のセットの後方にまたたく街の灯りが、私にとっての東京のイメージだった。

かぐや姫の「神田川」を聴いたのは上京後、大学1年のころだ。歌の中に銭湯が出てくる。当時は、東横線・日吉にあった、家賃6700円のオンボロ学生下宿(何しろ農家の物置小屋を改造したものだった)の住人だったが、銭湯も結構ぜいたくで、毎日は行けなかった。この歌のように、銭湯の前で彼女が出てくるのを待つという風景は、ごく普通に見られたものだ・・・てな具合に、曲を聴けばその時代のアレコレを思い出す。音楽のイメージ喚起力は強い。

小室等さんの「雨が空から降れば」がラストに出てくる。そう、最後に小室さんとこの曲ってのは、なんとなく納得がいく。作詞は劇作家の別役実さんってのも、今思えば凄いなあ。

「雨が空から降れば
 オモイデは地面にしみこむ
 雨がシトシト降れば
 オモイデはシトシトにじむ」

困ったねえ、お酒が飲みたくなってきた。
 
フォークソングされどわれらが日々

文藝春秋

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<喫煙コーナー>
垣谷美雨さんの”禁煙小説”『優しい悪魔』が面白かったので、物語の中でヒロイン・佐和子が挑戦した「減煙法」なるものをやってみようと思う。ついさっき、そう決めた。これ、簡単すぎるほど簡単な方法で、毎日1本ずつタバコを減らしていきましょう、というだけなのだ。

私は大体1日1箱(20本)の人なので、今日24日はマイナス1本で19本となる。午前0時。今日が始まった。本日分として新品のタバコを取り出し、封を切って、透明なつるつるを脱がせ、紙のパッケージをむき出しにし、そこにマジックで「19」と書き、タバコを1本だけ抜き取った。

この19本で、今夜の午前0時まで、1日過ごせばいいのだ。明日は2本減らして18本。つまり20日後にはゼロになる。おいおい、ほんとにそんな具合にいくのかい?と自分でも可笑しいが、まあ、せっかくその気になったので、とにかくやってみよう。6月24日(火)、今日は19本の日だ。