本日発売の『三田評論』09年8・9月号。
ここで、「テレビ報道の倫理をめぐって」と題した論考を書かせていただいている。
まさに、タイミング的にはぴったり(笑)の掲載となった。
以下は、その“冒頭部分”だ。
日本テレビ『真相報道バンキシャ!』の誤報問題をはじめ、「テレビ報道はどうなっているのか」と思わせる出来事が多発している。
その背景に一体何があるのかを探ってみたいのだが、実は、それ以前に「最近のテレビ自体、どうなっているんだ」と言いたい視聴者が多いと思う。
同じようなお笑いタレントが、似たような“内輪の笑い”を繰り広げる番組が並んでいる。
ドラマは相変わらず “若者層”を相手に作られたものが主流(だから漫画を原作にしたドラマが多い)で、大人が見るべき作品は極めて少ない。
テレビショッピング、通販番組の名の下に視聴者を消費者として位置づけ、直接モノを売りつける。
また、力を入れているドラマや自ら出資・製作した映画に関しては、“電波の私物化”と言われるほどの、なりふり構わぬ大量宣伝を展開する。これらが昨今のテレビに対する視聴者の印象だ。
そんな中でも、「報道は別だろう」という思いが視聴者にはある。
テレビも“商売”であること。テレビは“多面的”なものであること。娯楽を目的にした番組の中には単なる“時間泥棒”としか思えないものもあること。
それらは承知しているし、見ないことで自己防衛するが、さすがにニュースなど報道番組は「ちゃんと作られているはずだ」というのが一般的な認識なのではないだろうか。
ところが、“テレビの良心”、もしくは“最後の砦”のような報道部門で問題が頻発している。それこそが一番の問題なのだ。
・・・というわけで、続きは、ぜひ本誌をご覧ください(笑)。