碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

書籍・雑誌は「2兆円産業」だったけど・・・

2009年12月14日 | 本・新聞・雑誌・活字
とにかく活字が好きだ。

ほぼ毎日、何らかの本か雑誌を購入し、読んでいる。

そういう意味で、「朝日新聞」の記事が気になった。


今年の書籍・雑誌の推定販売金額が2兆円を割り込むことが確実になった。出版科学研究所の分析で明らかになった。1989年から20年間にわたって「2兆円産業」といわれてきたが、最終的には1兆9300億円台に落ち込む可能性がある。

新刊の刊行点数は89年の約3万8千点に比べて、昨年は約7万6千点と倍増、今年は10月末時点で昨年より3.2%増えているが、販売金額の減少は止まらなかった。出版社は少しでも売り上げを増やそうと刊行点数を増やしているが、売れない本は書店が次々と返品している実態が背景にある。08年の返品率は40.1%で、今年10月末の時点では40.7%とさらに悪化している。

雑誌は10月末までの前年同期比で4.1%減。推定販売部数も大幅に減っている。08年は前年比6.7%減の約24億3800万部だったが、今年は10月末時点で前年同期比7.3%減と過去最大の落ち込み幅に。多くは平均3%前後の値上げによって販売金額の減少をカバーしているのが実情だが、デフレ下での値上げが部数を減らす要因にもなっている。
(朝日新聞 2009.12.13)


・・・出版界が「2兆円産業」とあるが、この規模、面白いことにテレビ界と同じなのだ。

しかも、ずっと2兆円産業といわれてきたものが、最近、2兆円を下回ったのも同様である。

この不況下、雑誌はバブル時代のような“広告の取り方”は難しくなっている。

ただ、見方によっては、広告主導型ではない“本来の”雑誌作りが可能になったともいえる。

本来の、とは何か。

当然のことながら中身、内容だ。もっといえば、雑誌ジャーナリズムということかもしれない。

この件、書籍のことと併せて、またあらためて。