いわゆる父母懇談会といった内容の地域懇談会。
プログラムの最後は「懇親会」だ。
理事長、学長、教員が揃って、保護者と方々と、まさに懇親を深めた。
会場は、ふだん学生食堂となっている場所だが、大盛況。
何人もの保護者と話をすることができた。
多くの学生たちが、親に対して、大学は「授業が大変だけど楽しい」と言っていることが分かったりした。
今どきらしく、1年生の保護者さえも、気になるのは就職だったりする。
そうかもしれませんが、1年生は、まあ、じっくりやりましょう(笑)。
逆に、3年生、特にマスコミを目指すのであれば、そろそろ真剣モードに入る必要があります、といったお話もさせていただいた。
参加者の皆さん、おつかれさまでした。
土曜日のキャンパスの落ち着いた雰囲気が好きだ。
基本的に静かで、人の気配はあるが、騒がしくはない。
そのバランスがちょうどいい。
今日は、「地域懇談会」といって、保護者会的なものが開催され、いつもの土曜日よりは賑やかだ。
各教室では、学科ごとに分かれた「集会」と「個人面談」が行われた。
個人面談は、保護者がゼミの担当教員と話をする機会だが、教員にとっても、直接保護者の方々と会話する中で、学生たちの日ごろの様子を知る貴重な「場」でもある。
それ以外に、就職・留学・学生生活などに関する「個別相談」、「キャンパスツアー」、サークル団体による「イベント」、そして「懇親会」も開催される。
天気がよくて、有難い。
緑の濃くなったキャンパスを、学生たちのお父さん・お母さんが散歩している光景もいいものだ。
やはり買ってしまった(笑)。
開高健『夏の闇 直筆原稿縮刷版』(新潮社)だ。
ご本人が“第二の処女作”と呼んだのは、72年に出た単行本の函に印刷されていた文章でのこと。
やはり、その文体が凄い。
「開高語ともいうべき・・・」と評したのは、確か司馬遼太郎さんだったと思う。
読んでいて、日本語がこんなにも“いわくいいがたい”森羅万象を豊かに表現できるのか、と感心というか、震撼。
また、再読してみると、ここに書かれた男と女の“抜き差しならない”関係が、前より分かってきたような気がする。
読み手の成長を待っていたのだろう(笑)。
『直筆版 オーパ!』と同じく、指先で、文字をなぞってみる。
モンブランの149を握った作家は、どんなスピードで書いていたんだろう。
どこかに“ためらい”や“迷い”の跡はないのだろうか。
そんなことを思いながら、またページを、いや原稿用紙をめくる。
毎日、朝から雨が降り、古綿のような空がひくくたれさがり、熱や輝きはどこにもない。夏はひどい下痢を起し、どこもかしこもただ冷たくて、じとじとし、薄暗かった。膿んだり、分泌したり、醗酵したりするものは何もなかった。それが私には好ましかった。
――開高健『夏の闇』