「テレビとユーストリームとツイッターを連動して世界の様子を生中継」というフレコミの新番組「革命×テレビ(かくめいてれび)」が始まった。
TBS、日曜よる11時半からの30分。
司会は雨上がり決死隊と小林麻耶である。
タイトルがすごい。
なんてったって「革命テレビ」である。
番組名に「革命」の文字は珍しい。
しかもサブタイトルには「地球同時多発情報SHOW」とある。
「同時多発」も、その後につい「テロ」と続けてしまうほど、今や負のイメージが強い言葉だ。
さらに画面右隅には「世界の“今”を伝える革命的生放送です」と表示。
これはもう、相当なことをやってくれる、いや、やってくれないと視聴者は納得しないだろう(笑)。
さて、注目の第1回はどうだったのか。
繰り返すが、その革命たる所以は「テレビとUstream(ユーストリーム)とTwitter(ツイッター)の連動」である。
ユーストリームは生中継が出来る動画配信サービスだ。
「今世界では様々な面白いこと、すごいことが起きているんです。それをお見せしちゃう」と興奮気味の小林麻耶。
雨上がり・宮迫も「生放送で革命起こそうぜ!」とテンションだけは高い。
ただし、肝心の「世界8か所生中継」はモンゴルの飯屋とアメリカの浜辺で、後は新宿の居酒屋から若手芸人の打ち上げばかり“生中継”していた。って、おいおい(笑)。
確かに画面にはウランバートルにいる朝青龍が出てきた。
だが、画質が悪く、音声も聴きづらく、しかも途中で切れてばかり。
アメリカからはカブトガニを“生中継”したのだが、昼間なので動かない。
結局、事前収録された「夜のカブトガニ」を見せられた。
ただ、これが異様に大量のカブトガニで(笑)、ちょっとびっくり。
「最初からこのVTRを流せばいいのに」と、見ている誰もが思ったはずだ。
現地からレポートするのは、 “あまり忙しくない”若手お笑い芸人たちで、これが「革命特派員」と呼ばれる。
「世界笑える!ジャーナル」(TBS)における「芸人ジャーナリスト」と同じパターンだ。
また、突然小林が「ここからはニュースです」と言ってiPadを取り出す。
で、そのiPadの画面をカメラが映すのだが、さすがにカメラ経由では、文字を読むのはつらい。
そもそも報道セクションを持つテレビ局が「ヤフー・ニュース」を読み上げてどうする?という気もするが(苦笑)。
ツイッターも使っていることを強調すべく、茂木健一郎やハマコーのつぶやきを紹介するが、番組の中身としては、ほとんど意味がなかった(笑)。
テレビとユーストリームとツイッター。
新しく出てきたメディア・ツールを、番組に生かそうとすること自体は悪くない。
要は、その生かし方だ。
互いの相性や、組み合わせの妙もあらばこそ、ただ取ってつけただけという“無理やり感”と“安直さ”が、何とも情けないのだ。
特にユーストリームに関しては、そのメディアとしての可能性を“矮小化”しているとさえ思う。
この番組はソフトバンクの一社提供であり、まあ、番組全体が30分のCMみたいなもので、そう簡単には止めない(打ち切らない)かもしれない。
6日の第2回目は相当の“修正”をしてくるとはいえ、「これで毎週の生放送、大丈夫?」と、ついつい“革命”の行方が心配になる新番組でした。