碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

祝!ブログ開設から800日

2010年06月29日 | 日々雑感

ブログの開設から、ちょうど800日になる。

2年と数ヶ月。

小学生の頃、毎年、夏休みの日記帳が三日坊主だったことを思うと、成長したじゃないか(笑)。

まあ、一応、1000日までは行ってみたいものだ。

って、千日修業じゃないんだから(笑)。

とりあえず、「祝!800日」です。

(写真はマウイ島ラハイナ浄土院の大仏様。合掌)

「ハガネの女」で気になるのは主役の“影の薄さ”です

2010年06月29日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

『日刊ゲンダイ』の連載コラム「テレビとはナンだ!」。

今週は、テレビ朝日のドラマ「ハガネの女」について書いた。

クール・ビューティー(でいいのかな?)吉瀬美智子、初の主演作である。



見出し:

吉瀬美智子「ハガネの女」で気になるのは影の薄さ


コラム本文:

それまで脇役だった役者がついに主演を務める。晴れ舞台であると同時に試金石でもある1本。

女優・吉瀬美智子にとって、テレビ朝日「ハガネの女」はそんなドラマだ。

役柄は小学校の臨時教師、「ハガネ」こと芳賀稲子。

勉強が苦手な生徒には根気強く教える。いじめも見過ごさず、子どもたちに正邪を分からせる。

そんなプチ熱血教師。

しかし、涙と笑いの単純な学園ドラマではない。ハガネはシンプルだが、子どもたちが複雑なのだ。

彼らは自分を守るために、また誰かを守るために嘘をつく。

優等生の女の子が心に闇を抱えている。いじめっ子と思われた少年が、いじめられっ子を庇っていたりする。

親たちのモンスターぶりもまた千差万別だ。

良妻賢母が子どもの本当の姿を見ていない。妻と子どもを陰で暴力的に支配する父親がいる。

ハガネはそんな親たちとも正面から向き合う。

そう、これって、堂々の「社会派ドラマ」なのだ。

そして、主演の吉瀬。

確かに頑張ってはいる。

当初、吉瀬と教師がミスマッチに見えたが、回を重ねるうちにハガネは成長し、吉瀬もまた成長してきた。

だが、どうしても影が薄い。「ライアーゲーム」の時のような強烈な存在感がないのだ。

もしかしたら吉瀬は、“気になって仕方ない女優”として、脇で輝き続けたほうがいいのではないか。

そんな気がする。

(日刊ゲンダイ 2010.06.29付)