雑誌「文藝春秋」の7月号が出た。
お目当ては、井上ひさしさんの『絶筆ノート』全文掲載である。
亡くなって約2カ月。
闘病中に書き記した言葉を、今、こうして読ませてもらえることの有難さ。
読了して、まず感じたことは、「井上ひさしは最後まで井上ひさしだった」という事実だ。
合掌。
過去は泣き続けている――
たいていの日本人がきちんと振り返ってくれないので。
過去ときちんと向き合うと、未来にかかる夢が見えてくる
いつまでも過去を軽んじていると、やがて未来から軽んじられる
過去は訴えつづけている
東京裁判は、不都合なものはすべて被告人に押しつけて、お上と国民が一緒になって無罪地帯へ逃走するための儀式だった。
先行きがわからないときは過去をうんと勉強すれば未来は見えてくる
瑕こそ多いが、血と涙から生まれた歴史の宝石
――井上ひさし『絶筆ノート』