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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

TBS「サマーレスキュー」の“肩すかし感”

2012年07月18日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

日刊ゲンダイに連載中の番組時評「TV見るべきものは!!」。

今週は、TBS日曜劇場「サマーレスキュー~天空の診療所~」を取り上げました。


豪華キャストなのに
不完全燃焼な感じがするのは・・・

なんだろう、この肩透かし感は。TBS日曜劇場「サマーレスキュー~天空の診療所~」(21時~)である。

お膳立てはそろっている。主演は「ゲゲゲの女房」の向井理。「カーネーション」の尾野真千子もいる。さらに「ふぞろいの林檎たちⅣ」以来、15年ぶりのTBS連ドラ出演となる時任三郎まで持ってきた。

舞台は夏らしく標高2500㍍の山上にある診療所。中身は「救命病棟24時」「Dr.コトー診療所」などヒットの多い医療ドラマだ。これだけ並べば充実したドラマを見せてもらえそうなのに、不完全燃焼な感じがするのはなぜだろう?

まず山岳診療所という設定に無理がある。毎週毎週、登山客が病気やケガをする山って、一体どんな山なんだ? 呪われてるのか? せめて「Dr.コトー」みたいな離島なら分かるけど。

また、医療ドラマらしいダイナミックな見せ場も期待できない。そもそも重病患者は山に来ないからだ。それにこの診療所の医療設備は少なくて、医師ができることは限られている。患者の命を救うにはヘリで町の病院まで運ぶしかないのだ。 

今後、ドラマを引っ張るためには謎の看護師・尾野の過去を明かしていくか、山荘や診療所の人間が病気になるか、要するに内向きな話になる。それよりは夏山の実景でも見せてくれたほうが、よほどありがたい。

(日刊ゲンダイ 2012.07.17)


・・・・”登山客”内山理名が手のひらに大けがをした第2話。

視聴率は、初回14.7%→11.6%と3%以上も数字を下げた。

でも、これは視聴者が真っ当だということです(笑)。