碓井広義ブログ

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週刊新潮で、ドラマ『ビューティフルレイン』についてコメント

2012年07月13日 | メディアでのコメント・論評

視聴率10%を割っちゃった
「芦田愛菜」父娘物語

愛菜ちゃんの愛菜ちゃんによる愛菜ちゃんのためのドラマ~たまにトヨエツ~といったところ。

7月1日開始のフジ日曜9時ドラマ『ビューティフルレイン』でW主演を務めるのは、子役・芦田愛菜(8)と俳優・豊川悦司(50)だ。

下町の工場で働く圭介(豊川)は妻と死別し、7歳の娘・美雨(芦田)を男手一つで育てる。

だが、彼は若年性アルツハイマーを発症し・・・という話で、2人の起用理由は“シリアスな難病を前に、明るく健気に生きる親子をリアルに演じ、視聴者に勇気を与えてくれる”との期待から。

また、「フジは4月期のオダギリジョー主演『家族のうた』が、視聴率3%台で打ち切りに。これを挽回するため、『マルモおきて』(11年)最終回で23.9%を獲った愛菜ちゃんに、おんぶにだっこなんです」(芸能記者)

松任谷由実が作詞作曲のエンディングテーマを歌うのも愛菜ちゃん。

が、雲行きが怪しい。

「初回は愛菜ちゃんの可愛いらしさを見せるエピソードの比重が大きかった。泣く演技も流石。でも、これが続くと飽きられるかも」(芸能ライター・上杉純也氏)

という危惧が当たって、第1話のやや物足りない視聴率12.9%から、8日の第2話は9.5%へ急降下。

ウラのTBSでこの日始まった向井理、尾野真千子出演の新ドラマが
14.7%を獲ったから、こちらに“客”を奪われたようなのだ。

碓井広義・上智大学教授(メディア論)も辛辣で、「初回が父娘の幸せのピークで、後は地滑り的に不幸になっていく、その様を視聴者が可哀想と見おろす作品。

また病気発覚後、すぐに近所の道で迷う演出など、視聴者を泣かせて数字を獲るために病気の怖さを無神経に煽っている。制作側の計算も見え透いています」


そこで先の上杉氏は、「今後は、トヨエツの演技力と手堅い脇役陣の使い方にもよりますね」

現場に修正能力はあるか。

(週刊新潮 2012.07.19号)




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