地下鉄に乗って、新宿三丁目で下車。
歩いてすぐの放送批評懇談会へと向かいました。
選奨委員長を務める、ギャラクシー賞「報道活動部門」の審査会。
事前に候補作を見てきている11名の選奨委員が全員参加し、4時間以上にわたる、熱心な審査が行われました。
この“らせん状”に積み上げられていく討議が、審査会の醍醐味です。
そして、思わぬ最終結果が(笑)・・・・。
恥ずかしながら、って別に恥ずかしくはないけど(笑)、
最近、偶然のことから佐藤真由美さんの短歌を知った。
で、さっそく『プライベート』『恋する歌音(カノン)』など、
数冊を入手してみた。
うーん、なるほど。
『サラダ記念日』の俵万智さんとも、河野裕子さんとも、
また違った味わいだ。
メール打つ手が震えても
あなたにはわからないのがなんか悔しい
あの人に会うかもしれない
それだけで選んだ服をきょうも着ている
戻れない場所へ誰かと行く勇気
それを愛とは呼べなくっても
壁際に追い詰められて
許してはいない証拠に目を開けている
この恋が本当の恋だといいね
最後の恋にならなくっても
今わたしがあなたのものであることを
月よりほかに知らぬベランダ
今すぐにキャラメルコーン買ってきて
そうじゃなければ妻と別れて
泣きながら眠っていつも朝だけが
わたしを裏切らずに来てくれる
「じゃあこれで」お別れだねと言うほどの
何も起こらなかったお別れ
大丈夫 こんなの前もあったじゃん
恋くらいで死なないんだから
・・・・「短歌」も、やるもんです(笑)。
BPO(放送倫理・番組向上機構)が、3月に寄せられた「視聴者の意見」を公表した。
その中に、AKB48が出演しているUHA味覚糖「ぷっちょ」のCMに対する多くの批判があった。
この件を日刊ゲンダイが記事にしており、その中でコメントしています。
抗議殺到
AKB48「キスCM」の
問題シーン
AKB48「キスCM」の
問題シーン
相変わらずAKB48は絶好調だ。まるでメディアジャック。出演CMは朝から晩まで流れっぱなしである。それもそのはずで、契約企業は飲料、製薬会社など15社近く。
これだけあれば、目に付かない方がおかしいが、快進撃にブレーキがかかり始めている。19日、BPO(放送倫理・番組向上機構)が出演CMについて、多くの批判が寄せられていると発表したのだ。
問題視されているのは、UHA味覚糖「ぷっちょ」のCM。リレーのようにキャンディーを口移しにする映像について、<不衛生だし、気持ち悪い><こんな品位に欠けるCMはやめてほしい>という意見があったという。
また、BPOの「視聴者の意見」(3月分)のコーナーには、<PVで10代の女の子を含む子が下着になって抱き合ったり、「私と赤ちゃん作らない?」というCMをしたり、非常に不快である>と、AKB48そのものを批判する記述もあった。
CMに対する感想は人それぞれ。まったく気にならない人も多いだろうが、識者はどう受け止めたのだろうか。上智大教授の碓井広義氏(メディア論)が言う。
「オンエア直後から少しやり過ぎとは思っていました。なので批判がある理由はわかります。あのお菓子がポッキーみたいにもう少し長いか大きく、口移しをしても“キス”みたいに見えなければセーフだったかもしれませんね」
目立てばアンチが出るのは、この世の常である。
(日刊ゲンダイ 2012.04.20)
・・・・CMというのは、出演者のファンだけが見るわけではないので、
”さじ加減”が難しい。
さすがに、あの“キスリレー”は、「おいおい、大丈夫?」の感があり、
やはり指摘されちゃいましたか(笑)、といったところです。

BPOが公表した「2012年3月に視聴者から寄せられた意見」は以下の通りです。
番組全般
【CM】
•アイドルの宣伝にしか見えず何を伝えたいのかわからないCMや、うるさいだけのCM、内容をかいつまんだ番組のCMが多くてうんざりしている。気持ちよく印象に残るCMが少ない。CMを見て、逆に商品の購買意欲が薄れたりする。
•AKB48が口移しでキスをしてお菓子を食べる「ぷっちょ」のCM。こんな品位の欠けるCMはやめてほしい。食べ物を口移しでリレーすることは不衛生だし、気持ちが悪い。オタクだかファンだかを喜ばせるようなことがしたいのか不明だが、このグループはPVで10代の女の子を含む子が下着になって抱き合ったり、「私と赤ちゃん作らない?」というCMをしたり、非常に不快である。CMをいちいち情報番組で取り上げるので、見たくなくてもくだらない情報が入ってくる。
青少年に関する意見
<概要>
放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は196件で、前月より86件増加した。
今月は、CMに関する意見が116件、次いで低俗・モラルに反するとの意見が17件、表現・演出に関する意見が16件と続いた。
CMに関する意見が突出した数となったが、これはアイドルグループのメンバーがお菓子を口移しで渡すシーンへの嫌悪感を示す意見がほとんどであった。
【CMに関する意見】抜粋
•アイドルグループがお菓子を口移ししていくCMは、子どもが真似をしそうだ。口腔内細菌も怖いし、同性愛を助長するようにも思える。子ども向けのお菓子のCMなのに、いかがなものか。子どもの視点だと食べ物で遊んでいるとも取れる。とにかく汚いのでやめてもらいたい。
•お菓子が主体というより、アイドル同士の「口移し」場面を強調しているようにも感じ取れ、CM自体に意味が無いようにも思われる。CMやテレビ番組は、子どもたちや社会に大きな影響力がある。教育上好ましくないので、このCMを直ちに放送中止にするべきだ。
•アニメを2歳の子どもと見ていたら、女の子同士が口移しでお菓子をリレーするというCMが流れ、とても不愉快な気分になった。子どもも、何のためにこの女の子たちはキスをするのかと気持ち悪がり、親としても説明に困ってしまった。せめて子どもの目に触れぬよう、アニメの合間に流すことだけでもやめてもらいたい。
•アイドルの女の子同士がお菓子を口移しするCMを見て、保育園児の子どもが、お菓子の代わりに消しゴムをくわえてキスをする真似をしたが、間違えて飲み込まないかと心配した。
大学も、平常運転の2週目に入りました。
たとえば、こんな一日。

朝、北の国から来た“若い友人たち”(笑)が立ち寄ってくれました。

午前中、テレビセンターでの実習科目も始動。

午後、3年生ゼミの面々。



夜は、大学院の新入生歓迎会でした。
いつものように、注文しておいた古本が届く。
例によって何を頼んだのか忘れているので(笑)、どきどき、わくわくで開封する。
今日は、目黒考二さんの読書連想型エッセイ集『だからどうしたというわけではないが。』(本の雑誌社 2002年初版)。

手にとってみて、びっくり。
なんと、サイン本でした。

わずか数百円で入手したものであり、目黒さんに申しわけないような気持ちと、子どもの頃のアイスクリーム、ホームランバーの“当たり棒”みたいな嬉しさと(笑)。
やはり古本はやめられません。
さて、今週の「読んで(書評を)書いた本」は、以下の通りです。
池井戸 潤
『ルーズヴェルト・ゲーム』 講談社
松本仁一
『兵隊先生~沖縄戦、ある敗残兵の記録』 新潮社
誉田哲也
『あなたの本』 中央公論新社
北 杜夫
『マンボウ最後の家族旅行』 実業之日本社
吉本隆明・石川九楊
『書 文字 アジア』 筑摩書房
安藤忠雄
『仕事をつくる~私の履歴書』 日本経済新聞出版社
小島慶子
『気の持ちようの幸福論』 集英社新書
・・・・私も含む“ラジオ愛好者”にとって、最近の小島慶子さんの“テレビ方面”における御活躍は、嬉しいような、寂しいような(笑)。
でも、頑張ってください。
* 上記の本の書評は、
発売中の『週刊新潮』(4月26日号)
に掲載されています。

『東京新聞』に連載しているコラム「言いたい放談」。
今回は、最近見た映画『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』について書きました。
一歩を踏み出す静かな勇気
『アーティスト』『スーパー・チューズデー~正義を売った日~』『ドライヴ』『バトルシップ』など、この春の新作映画を何本か見た中で、個人的なイチオシは『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』だ。
舞台は一九六〇年代前半の米国ミシシッピ州。大学を卒業して帰郷したヒロインが、「ヘルプ」と呼ばれる黒人メイドたちの証言を集めた本を書こうとしたことから、周囲に大きな波紋が巻き起こる。白人の子供はヘルプに育てられ、結婚してからもヘルプを雇って暮らすのが当たり前という土地柄なのだ。
まず、それほど遠い過去でもない時代、厳然と存在していた人種差別の実態にあらためて驚かされる。また当時、「結婚と 出産」だけが女性の生き方とされていたことも再認識できた。
しかし、この映画は人種差別や性差別を声高に訴えているわけではない。自分たちだけでなく、子どもたちの未来も変えようと第一歩を踏み出すヘルプたちの姿を、ユーモアさえ交えながら描いている。そこにあるのは静かな勇気だ。
確かに「社会を変える」ことは容易ではない。だが、ひとりひとりが少しだけ「自分を変える」ことは出来るし、それが社会を動かすことにつながっていくのではないか。そんなことを思わせてくれるこの作品を、多くの人に観ていただきたい。
(東京新聞 2012.04.18)
『日刊ゲンダイ』に連載している番組時評「TV見るべきものは!!」。
今週は、NHK・Eテレの新番組「団塊スタイル」を取り上げました。
なんてったって団塊の世代は“大票田”であり(笑)、こういう“専門店”もありだとは思います。
「団塊世代」にターゲットを
絞った狙いは分かるけど
絞った狙いは分かるけど
今月6日からNHK・Eテレが新番組「団塊スタイル」をスタート。
司会は国井雅比古アナと風吹ジュン。初代ユニチカ・マスコットガールで今も団塊世代のアイドルの風吹を選んだセンスはなかなかのもの。
初回のテーマは「地元デビュー」。退職はしたものの、元気な60代はヒマを持てあましている。そこで地域活動を始めようとなるわけだが、実際にやろうとしても、どうしたらいいか分からない人が多いらしい。
番組では「歌ごえ喫茶」や「地元情報誌作成」など実例を挙げて手ほどきした。
そして先週の第2回は「老後のマネー計画」。節約術を実践している団塊世代を紹介し、スタジオでは専門家が年金暮らしのコツを伝授した。
この番組の狙いは分かりやすい。ターゲットを特定の世代に絞るのも悪くない。
ただ彼らは、自分たちが「団塊」として〝ひとくくり〟にされることをあまり好まない傾向がある。
たしかに皆が皆、学生運動→モーレツ社員→ニューファミリーという経緯をたどったわけではない。
また、ライバルが多かった分、競争も激しかった。いわゆる勝ち組ばかりではないのだ。そんな〝同世代格差〟にも配慮すべきだろう。
次回のテーマは「仕事」だそうだ。
自分たちの仕事もさることながら、大量のニートたちの親でもあるわけで、社会全体における仕事のあり方を探ってもらいたい。
(日刊ゲンダイ 2012.04.17)
全国各地の放送局で行われている「報道活動」。
その中から、すぐれた取り組みを顕彰する、ギャラクシー賞「報道活動部門」の審査会が迫っている。
で、このところ、資料のDVDを、それぞれ時間をかけて、じっくりと見ています。
一方、今クールのドラマが続々とスタートしており、こちらもチェック中。
さらに、春の新作映画も追いかけているので(笑)、かなり忙しい状態なのです。
とりあえず、最近観た映画のタイトルとひと言と内容紹介だけ、以下に記しておきますね。
「バトルシップ」・・・浅野忠信、がんばる
「ハンコック」のピーター・バーグ監督作品。ハワイ沖の太平洋上で大規模な軍事演習を行っていた、アメリカを中心とした世界各国の護衛艦隊の前に、突如として正体不明のエイリアンの母船が出現。地球側の呼びかけ応じることなく、侵略を始める。演習に参加していた米海軍の新人将校アレックスや、アレックスがライバル心を抱いている海上自衛隊の指揮官ナガタ(浅野忠信)らは、弱点もわからない謎の侵略者と相対することになる。

「スーパー・チューズデー~正義を売った日~」・・・力作です
2004年の民主党大統領予備選に立候補したハワード・ディーンの選挙スタッフだったボー・ウィリモンが、同選挙に着想を得て執筆した戯曲「ファラガット・ノース」を、ジョージ・クルーニーが映画化。理想に燃える若い政治活動家が選挙戦において情報操作の責任者を務めていくなかで、政界の汚れた側面に直面していく姿を描くポリティカルサスペンス。主人公スティーブンを演じるのは、「ブルーバレンタイン」「ドライヴ」のライアン・ゴズリング。クルーニーはモリス知事役で出演。

「ドライヴ」・・・ほんと、クール
スタントマンと逃がし屋の二つの顔を持つドライバーの姿をクールに描き、欧米の評論家の称賛を浴びたクライム・サスペンス。昼と夜では別の世界に生きる孤独な男がある女性への愛のために危険な抗争へと突き進んでいく。デンマーク人監督ニコラス・ウィンディング・レフンは、本作で第64回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞。『ブルーバレンタイン』のライアン・ゴズリングと、『17歳の肖像』のキャリー・マリガンの演技派が出演。

「映画けいおん!」・・・新宿で、間に合った(笑)
桜が丘女子高校軽音部の3年生、平沢唯、秋山澪、田井中律、琴吹紬の4人は、卒業を控え、いつもどおりのどかな日々を送っていた。大学にも合格し、心配事といえば、軽音部に残される2年生部員、中野梓にどんなプレゼントを渡そうかということくらい。そんな中、ロンドンに卒業旅行に行こうという話が持ち上がる。思い出作りに楽器や制服も持って意気揚々とロンドンへ向かう5人は・・・・。

「ヘルプ~心がつなぐストーリー~」
・・・この作品については、あらためて書く予定です。

碓井
近々テレビアニメについて話をする予定があり、あらためて現在放送中のアニメを何本も“閲覧”している。
最近見た中で出色だったのが、14日に始まった「エウレカセブンAO」(TBS系)だ。
2005年に放送された「交響詩篇エウレカセブン」の続編にあたる。
主人公のフカイ・アオは、沖縄にある離島・磐戸島で暮らしている。
冒頭、アオが乗っている空飛ぶクルマというか、小型の「空中移動体」のデザインがいいこと、その飛翔感と沖縄らしい海の風景が気持ちよくて、一気に引き込まれた。

物語の設定は2025年。そう、13年後の世界なのだ。
突然、海に巨大な光の柱が出現してからは、あれよあれよという間に島が攻撃されていく。
初回ということもあり、まだ十分にこの作品の世界観を把握できていないが(笑)、かなりのレベルのものだとわかる。
制作はボンズ。
京都アニメーションの映像も好きだが、やはりボンズもすごいぞ(笑)。
次回も見ます。
近々テレビアニメについて話をする予定があり、あらためて現在放送中のアニメを何本も“閲覧”している。
最近見た中で出色だったのが、14日に始まった「エウレカセブンAO」(TBS系)だ。
2005年に放送された「交響詩篇エウレカセブン」の続編にあたる。
主人公のフカイ・アオは、沖縄にある離島・磐戸島で暮らしている。
冒頭、アオが乗っている空飛ぶクルマというか、小型の「空中移動体」のデザインがいいこと、その飛翔感と沖縄らしい海の風景が気持ちよくて、一気に引き込まれた。

物語の設定は2025年。そう、13年後の世界なのだ。
突然、海に巨大な光の柱が出現してからは、あれよあれよという間に島が攻撃されていく。
初回ということもあり、まだ十分にこの作品の世界観を把握できていないが(笑)、かなりのレベルのものだとわかる。
制作はボンズ。
京都アニメーションの映像も好きだが、やはりボンズもすごいぞ(笑)。
次回も見ます。
チェックしたい番組が、たまたま重なったのが昨夜、土曜よる9時。
面倒なので「ええい、同時に見ちゃえ!」(笑)ってことで、思いっきり
リモコンのボタンを押しまくり、久しぶりのザッピング(懐かしい言葉だ)をしてしまいました。
NHK「あっこと僕らが生きた夏」
甲子園を目指す高校野球部のマネージャー(川島海荷)が“不治の病”に襲われて・・・というドラマ。元気なイメージの海荷サンが演じているのがポイントで、実話だそうだ。来週、後篇もあります。


日本テレビ「三毛猫ホームズの推理」
嵐の相葉雅紀が主演のユーモア・ミステリーの第1回。相葉君の目には、三毛猫がマツコ・デラックスに見える、という設定がすごい(笑)。


TBS「世界ふしぎ発見!」
今回の舞台が、私の大好きなハワイだというので、これもはずせないかな、と。オアフ島、カウアイ島、ハワイ島は出て来たんだけど、肝心の“愛するマウイ島”が見当たらず、残念。


フジテレビ「レッドカーペットSP」
他の番組の合間にチラチラと見るはずが、つい長居をしたりして。


テレビ東京「出没!アド街ック天国」
普段、この時間帯に見ている頻度が一番高い番組なのだ。
今週は赤羽岩淵。ディープです(笑)。


NHK・BSプレミアム「フローズンプラネット」
南極です。冒頭、見渡す限りのペンギンの群れを見せるカットだけで、「おお、やるもんだなあ」と思わせた。とにかく撮影と編集が見事だ。
大沢たかお、いい仕事を選んでます(笑)。


・・・・まあ、慌ただしい視聴スタイルではありますが、いずれも大体の内容はわかりました。
というか、わかるような中身であり(笑)、また、わかるように作られてもいるわけですね。
今、読んでいるのは、柳広司さんの『パラダイス・ロスト』(角川書店)。
『ジョーカー・ゲーム』以来、この“D機関”シリーズの大ファンだ。
ページが減っていくのが惜しくなる小説って、やはり嬉しいものです。
今週の「読んで(書評を)書いた本」は、以下の通りで、結構多いです。
重松 清
『希望の地図』 幻冬社
鬼頭春樹
『禁断 二・二六事件』 河出書房新社
永瀬 隼
『帝の毒薬』 朝日新聞出版
デヴィッド・L・ユーリン 井上里:訳
『それでも、読書をやめない理由』 柏書房
松浦弥太郎
『新しいお金術』 集英社
今 柊二
『定食と古本』 本の雑誌社
堤 未果
『政府は必ず嘘をつく』 角川SSC新書
・・・・本好きなら、『それでも、読書をやめない理由』は涙モノかも(笑)。
* 上記の本の書評は、
発売中の『週刊新潮』(4月19日号)
に掲載されています。

映画「アーティスト」を観てきた。
アカデミー賞の作品賞ほか5部門受賞。
拍手パチパチの作品だ。
特色は、なんてったってモノクロの“サイレント映画”であること。
確かに、ちょっと新鮮な体験だ。
画面を、かなり真剣に見つめている自分に気づく。
また映画の世界を描いた映画であること。
サイレントからトーキーへという過渡期。
主演のジャン・デュジャルダンは、「よくまあ、こんなぴったりの役者さんがいたもんだなあ」と思う。
ラブストーリーとしては、そんなに起伏はなくて、「こうなるかな」と予想するように展開していく。

全体は、ウエルメイドな、よくできた1本。
安心してオススメできる作品であり、後味も悪くない。
悪くないんだけど、少し物足りなさもあって、“もやもや”したものが残りました。
ミシェル・アザナヴィシウス監督は、とにかく“サイレント映画”を撮りたかったのだと思う(笑)。
それ自体は大成功だ。
でも、“サイレント映画”ではなく、“映画”としては、何をしたかったんだろう。
そして、この映画における「アーティスト」って誰なんだろう(笑)。
そんなこんなを考えながら、映画館を出ました。
まあ、アカデミー賞「作品賞」でなかったら、観逃していたかもしれないわけで(笑)、アカデミー効果さまさまの1本、です。
仕事からの帰り道、ふと気がつくと、いつも持ち歩いているトートバッグが、朝よりも重くなっている。
その日に入手した雑誌が入っているためだ。
しかも、家に戻り、バッグを開けてみて、自分でびっくりすることがある。
どんな雑誌を放り込んだのか、忘れているんですね、これが。
まるで誰かにプレゼントされたような気がして、ちょっと嬉しい。
アホか、とも思いますが(笑)。
本日の収穫は・・・・

いかにも松岡正剛さんらしい「ならじあ・きゅう」。キャッチフレーズは
「奈良から発信するオリエンテッド・メディア」で、その創刊準備号だ。

「サライ」の特集は「日本の作家 百年の歩み」。
特別付録の「オリジナル万年筆」が手招きしていた(笑)。

「ウレぴあ」は本の特集で「私を創った本 53人の276冊」。
こういう誰かが挙げた本が、思わぬ刺激になることもあるのだ。

4冊目は「日経エンタテインメント」の映画別冊「スター・ウオーズ パーフェクトガイド」。エピソードⅠの3D版は近々観ようと思っています。
大学のある四谷駅周辺も桜が満開になっている。
桜は見られる時に見ておかないと、明日はわからない花だ。
少し足を止めて眺める。





キャンパスは新学期早々が最もにぎわう時期。
1年生はほぼ全員が来ているし、上級生も授業選び&履修申告があるからだ。


私が学部と大学院で担当する授業も始まった。
昨日はゼミの初回で、2年生から4年生までが集合した。
特に2年生は15名で学年最大派閥(笑)ということもあり、全体で40人近いメンバーが並ぶと結構壮観だ。
そして圧倒的に女子が多い。もちろん皆、才色兼備である(笑)。
初顔合わせということで、全員に自己紹介をしてもらったが、4年生が春休み前より大人びていたことに驚く。
就職活動は、そんな影響というか、効果も与えるんだなあ、とあらためて思った。
これから1年、40人が、それぞれどんな成長を見せるか、楽しみだ。
