赤坂プリンスの新館が建て替えになるのだそうです。
バブル期を象徴する建物であったように思います。僕は十日町に戻ってから着物の催事で何度か行った事があります。赤坂見附の交差点から見る鋭角な建物は東京っぽく見えます。
赤坂プリンスは故丹下健三の設計で、丹下氏の代表作の一つです。
もう一つ、取り壊されようとしている丹下氏の作品があります。
表参道のランドマーク・ハナエモリビルです。
ガラス張りのファサードは一向に古さを感じさせません。
ガラスと云う無機質な素材ですが、何か人の集いみたいなものを感じさせる空間です。
きはだやは長く、ハナエモリビルのB1にあったお店とお取り引きがありました。
ショップのオーナーもこのビルが建て替えになるのを大変残念がっていました。
築後30年を経て手入れが必要になったのでしょうが、一方ではもっと容積の大きな建物にしたいと云う思惑はあるのでしょう。
今日、銀座の歌舞伎座も建て替えのため、今日が最後の公演になります。
こちらは2002年に国の登録有形文化財に指定されましたが、(一応)老朽化をネタに建て替えられるようです。
ただ、建てられたのは戦後の事。1950年の建築です。
老朽化とはいってもそれ以前の建物は随分たくさんあるわけで、やはり、銀座に近い超一等地をより有効に使う事が必要なのでしょう。
歌舞伎と云う日本を代表する文化と、その公演のための日本一の劇場が失われていくのはとても残念な事です。有形文化財登録はその建物を保護、維持していくために登録するはずなのでしょうが、こうして失われていくのはなんだか合点がいきません。
きはだやのお客様にも歌舞伎座と縁があるかたがいらっしゃいますが、とても残念がっています。
木挽町を歩く時にあの歌舞伎座の屋根が見えなくなってしまうのはひどく淋しい気がします。