染織工房きはだや 「店主の独り言」

きはだや店主が今日の出来事を語る。喚く。話す。切る。
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池袋西武のこと

2023年09月02日 | 店主の一日
そごう西武百貨店がセブン&アイの手を離れて米国ファンドの手に落ち、現在の池袋西武の土地建物は大手家電量販店が買うという。
様々な思いがある。

僕は大学を出て株式会社三陽商会に入社した。
伊勢丹新宿本店で研修をした後で西武百貨店の課に配属となった。
一年目は今はない船橋西武、その後つくば西武、川崎西武などの担当も加わって(そういえば、もうどちらもないですね)
二年目から池袋西武の担当になる。一つ上の先輩と一緒だったが担当ブランドでは全国一、二の売上の店だった。
店舗の売上も全国トップクラスだったしバーバリーを始め、どの売場も会社にとって主力の売場だった。
とにかく目立つ店だった。
三陽商会の先輩方にも売場の販売員さんたちにも西武百貨店の社員の皆さんにも本当にお世話になりました。
三陽商会時代のことは今でも思い出すし、「仕事ってこんな感じか」と僕のとっての仕事の考え方みたいなものを作ってくれたのも三陽商会と西武百貨店の各お店です。
そうした中で池袋西武は思い出の多い店だ。
当時は西武ライオンズが随分強くて、夏の終わりの声を聞くとライオンズセールの準備が始まった。
負けてもセールはするのだけれど優勝した時とは全く売れゆきが違うので、それはそれで西武を応援してみた。
大変な集客があった。
バブルは崩壊していたがまだまだ百貨店が売れていた時代だ。今、あんな人混みはどこにあるのだろう。
三陽商会もバーバリーのライセンス契約を失うとともに苦境に落ち、多くの先輩や同期が会社を去っていて、知っている人はほとんどいない。
西武百貨店も随分、小さくなってしまった。



細かな事を書けばいくらでもネタが出てくるのですが、今でも必ず思い出すのは地下一階中央口を入ってエスカレータに乗るために左に入っていくと、エスカレータの横に崎陽軒があって、いつも早くから準備をしていました。
当時、坪当たりの売上では全国一だという話を聞いた事がありました。
あのシウマイを加熱する臭いは滞留していると中々強いもので、いつまでも鼻の奥に残る感じでした。
今でも西武に行くとあの臭いを思い出します。

セゾングループとして池袋の街を作ってきたこの大型店舗が変わっていくのは大変に残念なことです。
量販店の是非はわかりませんが、個人的にはこの大型百貨店がこのまま営業をできたらよいなと思うのです。







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