2016年12月29日
サハリン発
[サハリン州とロシア外務省は南クリールにおける日本との漁業共同活動提案を検討する]
サハリン州とロシア外務省が、日本との南クリールでの漁業分野の共同経済活動にかかるパッケージ提案を検討したとロシア業界紙(WEB)は伝えた。
2016年12月15日、翌16日の両日、日本でロ日首脳会談が行われ、南クリールでの共同経済活動にかかる合意項目に漁業分野も盛り込まれた。
提案検討のワーキング会合にはサハリン州知事コジェミャコ、サハリン州選出上院議員メゼンツエフ、そして*外務次官モルグロフらが参加した。
この提案は近い将来、日本側へ提出されることになる。
なお、協力には具体的に多くの例が想定され、日本側からの水産加工設備の供与等が検討されている。
*イーゴリ・ウラジーミロヴィチ・モルグロフ(Игорь Владимирович Mоргулов)
1961年5月4日 −
ロシアの外交官。ロシア連邦外務次官。
1983年モスクワ大学アジア・アフリカ学部を卒業する。1991年外務省に入省する。外務省本省の他、日本、アメリカ、中国などの在外公館に勤務した。2006年年から2009年まで、駐在中国大使館公使参事官。2009年から2011年までロシア連邦外務省第一アジア局(部)長。2011年12月からロシア連邦外務次官。
中国語と英語に堪能。私生活では、夫人との間に二子がいる。
2015年9月2日、インタファクス通信に対し、日本との北方領土問題に関する対話は行わない考えを示した。日露間の平和条約締結に関する交渉を継続する用意はあるものの、領土問題については「70年前に解決済みだ」と述べた。
(外務次官モルグロフ関連情報)
2016年12月02日 ロシアNOW(ロシア通信)
[モルグロフ外務次官「日本は第二次大戦の結果を認めるべき」]
ロシア政府は、日本との平和条約締結問題を解決するにあたり、日本政府が第二次世界大戦の結果を認めることをまず前提とし、その結果の中には、南クリル諸島(北方四島)も含まれる――。ロシア外務省のイーゴリ・モルグロフ次官は、ロシア通信のインタビューに対し、このように述べた。
「平和条約締結問題におけるロシア政府の立場は変わっていない。日本が第二次世界大戦の結果を認めることが無条件に必要である、という点を出発点にするもので、そこには南クリル諸島(北方四島)も含まれる。これが、上記の問題について何らかの真剣な話し合いをする際には前提になる」。モルグロフ次官はこう語り、次のように付け加えた。
「最近、プーチン大統領が、ペルー・リマ開催のAPEC(アジア太平洋協力)サミットの記者会見で明言したように、これらの諸島に対するロシア連邦の主権と管轄権には、疑問の余地がない」
2015年09月03日 産経ニュース
[ロシア外務次官、「日本と北方領土の対話せぬ」 領土問題は「70年前に解決済み」]
【モスクワ=遠藤良介】ロシアのモルグロフ外務次官は2日、インタファクス通信に対し、日本との北方領土問題に関する対話は行わない考えを示した。平和条約締結交渉を継続する用意はあるものの、領土問題については「70年前に解決済みだ」と述べた。プーチン露大統領が3日、北京での抗日戦争勝利記念行事に出席するのに合わせ、日本を強く牽制(けんせい)する狙いがありそうだ。
モルグロフ氏はこの中で、「クリール諸島(千島列島と北方領土)の問題」に関しては「日本といかなる対話もしていない」と発言。北方四島は「第二次大戦の結果として合法的にわが国に移った」とし、「ロシアの主権には疑いの余地がない」と主張した。
平和条約交渉については「建設的に継続する用意がある」としたものの、「日露関係全般」を広く発展させる中で、「相互に受け入れ可能な解決策」を模索すべきだと述べた。
日露間では、領土問題を解決して平和条約を締結する方針が確認されている。ただ、ラブロフ外相が「日本は大戦の結果を認めない唯一の国だ」と語るなど、ここにきてロシア側は対日姿勢を硬化させている。