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北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

カムチャツカ 西部・中央部への太平洋サケマス輸送 北極海航路定期便化を目指す 原子力コンテナ商船*“Севморпуть”(セヴモルプチ)

2020-05-26 12:02:24 | 日記

2020年05月26日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[カムチャツカ 西部・中央部への太平洋サケマス輸送 北極海航路定期便化を目指す]

カムチャツカ地方知事ソドロフは、同地方で生産された太平洋サケマスのロシア西部・中央部への輸送について北極海航路の定期便化を目指していると発表、この計画を大統領プーチンも支持していると明らかにした。

現在、同地方の製品の西部・中央部への輸送は、沿海地方を通じ、主に鉄道で行われているが、ウラヂオストクの冷凍冷蔵庫不足等により滞り気味になっている。

ソドロフは、特に、太平洋サケマス漁期の物流問題は重要だとし、ペトロパブロフスクカムチャツキーからサンクトペテルブルグまでの北極海航路輸送は鉄道輸送の1/2の所要時間だと指摘、2011年の開始以来単発の輸送だった体制を定期化にすることに取り組むと言及した。

また、この計画はプーチンの支持を得ており、既に、ロシア漁業庁、並びに北極海航路で原子力コンテナ商船*“Севморпуть”(セヴモルプチ)を運航している国営原子力企業”Росатом”(ロスアトム)と7月から9月までの間、月2回の定期便化に向けて具体的な検討準備ができていると加えた。

*“Севморпуть”(セヴモルプチ)

1988年(ソ連時代)に建造されたКЛТ(KLT)-40タイプ原子力発電所を備えた砕氷輸送船。全長260メートル。原子力発電所で建造された非軍事商船4隻の中で最大。北海航路にちなんで名付けられ、プロジェクト10081唯一の船舶。コンテナで製品を北部の遠隔地に輸送することを目的としており、厚さ1メートルまでの氷を粉砕して航行可能。2019年現在、原子力発電所を備えた唯一の運航貨物船。

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